おやぢの部屋2
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のだめカンタービレ Selection CD Book









Various Artists
講談社刊(ISBN4-06-364646-7)


2年以上前の「おやぢの部屋」でこのマンガをご紹介した時には、「ブレイク寸前」とは言ってみたものの、まさかここまで「ブレイク」してしまうなどとは思いだにもしませんでした。今や、新しい単行本が出れば平積みで一番目立つところに並べられますし、コミック・チャートのベストテン入りは常に約束されているという、まさに大ベストセラーになってしまったのですから。そうなってくると、ここで舞台となっている「クラシック」の人たちの反応が注目されてきます。その端的なものが、先日のNHK教育の「芸術劇場」。この、長い歴史を持つ権威ある番組で、このマンガが紹介されるに及んで、もはや一つの作品の枠を超えたところでの「のだめ」ブランドの一人歩きが始まったのです。「ブレイクしたマンガで使われた音楽だから、ブレイクするに違いない」と言う、クラシック関係者の大いなる勘違いを道連れにして。
実は、このような打算に基づいた商品は、以前にも企画されていました。2003年の9月に「限定盤」として発売されたこのCDです。

東芝EMI/TOCP-67266

もちろん、「マンガの中で使われた曲を集めたサントラ盤」とは言ってみても、収録されているのはどこでも手に入る安易な音源だけ、マンガを読んで本当に聞きたいと思った珍しい曲がその中で聴けるのではないか、という「クラシック・ファン」の期待には、完璧に背いたものでした(それでも、「限定盤」ということで、現在ではプレミアが付いていますが)。
今回はCDではなくCDブックという体裁です。収録曲も前作と似たり寄ったり、今回レーベルが異なるために演奏者は異なっていますが、音的には全く魅力は感じられません。何しろ、「安い」音源を求めてリヒャルト・シュトラウスの自作自演の「ティル」などが入っているのですから。ただ、1曲だけ、見慣れない曲が収められています。海老原大作作曲「ロンド・トッカータ」。こんな曲、知ってました?初めてイギリスに行った人の曲でしょうか(「ロンドン・遠かった」)。
実は、いくらクラシックにかけては人後に落ちない「おやぢ」常連のあなたでも、この曲を聴いたことがあるはずはないのです。何しろ、この曲はこのCDブックによる演奏が「世界初演」になるという、極めて珍しいものなのですから。種明かしをしてしまえば、この曲はこのマンガに登場した「架空の曲」なのです。のだめがコンクールを受ける時の課題曲の中の1曲として、第8巻にタイトルだけが登場、そのあと第11巻でパリに留学したのだめが一人で弾いていると、同じアパルトマンの学生が「さっき弾いてた曲なに?」と聞く時に「楽譜」付きで登場します。結構難しい曲なのに、彼が初見で引いてしまったためのだめは落ち込む、というオチが付きます。その時に使われた楽譜はそこしか出来ていなかったのですが、それをきちんと8分ほどの曲として完成させ、実際の「音」として録音したものが、これなのですね。もちろん、作曲家の海老原というのも架空の人物、一応本物の作曲家が、その仕事を行っています。あいにく、私はその作曲家の名前は初めて知りましたが。
そんな、言って見れば「遊び心」が横溢したCDブック(もちろん、「佐久間学」さんのポエムも載っています)には違いありませんが、メインは今まで雑誌の表紙を飾ったイラストなどを集めたもの、この曲を聴くためだけに購入するのは、あまりお勧めできません。何しろCDの出しにくさったら、前に苦言を呈したBMGのヴェルディのレクイエムの比ではありません。
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by jurassic_oyaji | 2005-08-11 20:55 | 書籍 | Comments(2)
Commented by takeuchi at 2005-08-17 15:06 x
はじめまして。いつも読ませていただいています。
Rondo Toccataですが、以前はその本物の作曲家さんのサイトにMIDIファイルがありました。なので、聴いたことのある方はそれなりにいると思いますよ。pdfになった楽譜も置いてあったような。今はどちらもサイトにおいていないようですが…
Commented by jurassic_oyaji at 2005-08-17 20:07
コメントありがとうございます。
そうですか、MIDIがありましたか・・・
大澤さんのサイトでしたら、ありそうですね。
CDが出たので、著作権の問題で引っ込めたのかも。