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PENTATONIX
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向かうところ敵なしの5人組ア・カペラ・グループ「ペンタトニックス」の、6枚目となるオリジナルアルバムです。今までにリリースされたのは3枚のミニアルバムと、2枚のクリスマスアルバムですが、国内盤はなんだか最初の2枚のミニアルバム(輸入盤では「EP」という言葉が使われていました)が変なコンピレーションになっていたりして、ちょっとオリジナルの姿が見えてこないのが困ったものです。
今回のニュー・アルバムも、もちろんそんなバカ高いDVDとの抱き合わせの特別盤や、ボーナストラックをてんこ盛りにした通常盤といった国内盤ではなくシンプルな輸入盤を入手です。もっとも、こちらはあまりにシンプルすぎてクレジットしかありませんが、それが本来の姿なのですから我慢しましょう。
上のジャケット、小さな黒い丸が付いていますが、これはパッケージのフィルムの上に貼られていたもので、その中に「FULL LENGTH DEBUT」という文字が書いてあります。これは、今まではミニアルバムしか出していなかったものが、晴れて正規のフルアルバムを出した、という意味なのでしょう。今まではせいぜい6曲か多くても8曲、しかも大半はカバー曲だったものが、今回は全13曲、そのうちの12曲がオリジナル・ナンバーだという、初めて「アルバム」と呼ぶにふさわしいCDが出た、という気持ちまでが込められている言葉です。もっとも「フル・レングス」と言っても、収録時間は「たったの」42分しかありませんが、これがかつての「LP」の「フル・サイズ」だったと感じられる人は、少なくなってしまいました。
最後のトラックだけ4分台の長さですが、ほかの曲は全て3分足らず、中には2分台のものもありますから、これはほとんど「オールディーズ」の時代の曲の長さです。ア・カペラの場合、そんな長さで十分な満足感が与えられます。
1曲目の「Na Na Na」は、アフリカ風のテイストで迫ります。途中で往年のヒット曲「ダンス天国(Land of 1000 Dances)」のようなフレーズが出てくるのには和みます。
2曲目の「Can't Sleep Love」が、リード・シングルとしてヒットチャートをにぎわしている曲、けだるいイントロと、キャッチーなフックとの対比が素敵です。
3曲目は「Sing」、シャウトっぽい歌い方が、ちょっと彼らとしては珍しいのでは。ラップも入っていますが、全く違和感はありません。それよりも、フックでの転調がとても新鮮です。
4曲目の「Misbehavin'」は、まさに王道のドゥー・ワップ、ベースのパターンは名曲「Stand by Me」を思わせるような感じです。
5曲目の「REF」はリズム主体のパターンで、ミッチとカースティンが元気に迫ります。
6曲目も「First Things First」も、同じようなコンセプトですが、レゲエ風のテイストも。
7曲目の「Rose Gold」は、サンプリングによるリフのシンコペーションが、最後に2拍3連になるという意外性が魅力。こんなリズムは、ポップスの世界では稀です。
そして、8曲目が唯一のカバー曲、1992年のSHAIの大ヒット「If I Ever Fall in Love」です。基本はオリジナルのア・カペラ・バージョンの完コピ、そこに後半で軽くベースとヴォイパが加わるという粋なアレンジです。今はホットで(それは「缶コーヒー」)。ジェイソン・デルーロがゲスト・ヴォーカルで参加。ミッチのファルセットが素敵です。
9曲目からは、それまでとはちょっと雰囲気が変わります。この「Cracked」は、まるでスピリチュアルズのような泥臭さを持っています。
10曲目の「Water」は爽やかな高音のイントロが印象的。
11曲目の「Take Me Home」は、彼らの持ち味のホモフォニーで、シンプルに迫ります。
12曲目はゴスペル風の「New Year's Day」で、シンプルなフレーズを壮大なハーモニーで盛り上げます。
そして、最後の「Light in the Hallway」は、まるで子守歌のようなハイム。深い癒しが、心に突き刺さります。
相変わらずの幅広い音楽性、彼らのソングライティングの才能には脱帽です。もちろん、完璧なパフォーマンスにも。

CD Artwork © RCA Records
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by jurassic_oyaji | 2015-10-27 23:15 | 合唱 | Comments(0)