おやぢの部屋2
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BRAHMS/Ein deutsches Requiem
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Genia Kühmeier(Sop)
Gerald Finley(Bas)
Mariss Jansons/
Netherlands Radio Choir(by Michael Gla()ser)
Royal Concertgebouw Orchestra
RCO LIVE/RCO 15003(hybrid SACD)




この、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の自主レーベルも、先日のシカゴ響と同じような品番の付け方をしていますから、これは2015年にリリースされた3番目のアイテムであることが分かります。こちらは、「オランダ人」のように、たまに普通のCDだったりすることもありますが、基本的にSACDで出してくれるという姿勢は継続されているようです。もちろん、今回もSACD、オリジナルのフォーマットは96kHzだそうです。とは言っても、録音されたのが2012年だというのですから、油断はできません。その「オランダ人」が録音された2013年には、それまでのPOLYHYMNIAの録音スタッフはおらんだったのですからね。しかし、最新の2015年録音のSACDのデータを調べてみたら、今回と同じPOLYHYMNIAのエヴァレット・ポーターがプロデューサー/エンジニアだったので一安心なのですが。
ご存知のとおり、2012年にはこのオーケストラの首席指揮者だったヤンソンスは、現在ではすでに首席指揮者を退任して「名誉指揮者」となっています(2016/17年のシーズンからの首席指揮者はダニエレ・ガッティ)。今年の3月20日には、その功績をたたえる「フェアウェル・コンサート」がコンセルトヘボウで開催され、その感動的なコンサートの模様がNHK-BSで放送されていましたね。しかし、このSACDのブックレットでは、コピーライトが2015年となっているにもかかわらずそのことには全く触れられておらず、プロフィールが2012年の時点でのものになっているのですから、ちょっとお粗末です。
録音は、いつものこのレーベルのものと同じ、とても繊細な雰囲気が漂うものでした。あくまで空間の響きを大切にしてはいるものの、それぞれの楽器は存在感をもってはっきり聴こえてきます。そんな中で合唱はかなりくっきりとした音像が左右一杯に広がっていて、配置が少し面白いことに気づきます。男声が女声の後ろにいるのは普通のことですが、左側にいるソプラノの後ろはベース、右側にいるアルトの後ろはテノールと、男声と女声とで高音と低音がクロスしているのですね。これは、北欧とかエストニアなどの合唱団の場合よく見られる配置なので、このオランダ放送合唱団もそれに倣ったのでしょうか。あるいは、このオーケストラの場合、フルートの後ろにファゴット、オーボエの後ろにクラリネットという他のどのオーケストラとも異なる木管楽器の配置で、やはり前後の列で高音と低音の楽器がクロスしていますから、合唱もそれと同じ並びにしているのかもしれませんね。
そんな合唱、出だしの「Selig」こそ、見事に静謐の限りを尽くしたものだったので期待したのですが、音楽が盛り上がってくるとソプラノだけがえらく雑な歌い方になってくるのがとても気になります。それは、ほかのパートとあまり溶け合わないので、男声は非常にやわらかい響きなのにそれをカバーすることが出来ないのですよね。それと、おそらく指揮者の声でしょうか、合唱とは全く異質な声がかなりはっきりマイクに入っているのが耳障りです。
しかし、そんな異様な唸り声とは裏腹に、ヤンソンスが作り出す全体の音楽はとても柔らかく包容力のあるものでした。それは、ソリストが入ってくる楽章になると、よりはっきりしてきます。バスのフィンレイはこの上なく柔らかい声で威圧的なところは全くありませんから、とても暖かい雰囲気が漂います。そして、ソプラノのキューマイヤーも、歌いだしたときにはちょっときつい感じがしたものの、次第に力の抜けた透き通る声に変わり、まるで天使のような安らぎを振りまくようになってきます。
そうなってくると、少し難のあった合唱もいくらかまとまりが出てきて、いたずらに盛り上がりがちな6曲目あたりでも、常に抑制された声を聴かせてくれるようになりました。終わってみれば、とても大きなものに包み込まれたような幸せな気分に浸ることができましたよ。

SACD Artwork © Koninklijk Concertgebouworkest
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by jurassic_oyaji | 2015-11-01 19:37 | 合唱 | Comments(0)