おやぢの部屋2
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仙台で一番おいしいとんかつ
 この間、せっかく並んだのに無残にもすぐ前の人でもう食べることはできませんよ、と言われてしまったとんかつ屋さん、なんとしてもその恨みを晴らそうと機会をうかがっていたのですが、そのチャンスは意外に早くやってきました。それはきのうのこと、何の予定もなかったし、雨も降っていなかったので、開店の11時の前にお店の前に並ぶことが出来ました。4号線沿いにコインパーキングが2つあって、隣り合っているのに料金が微妙に違っているというのはこの前来た時に分かっていましたから、安い方のパーキングに入れます。そこから歩いていくと、もうすでに10人ほどの列が出来ているのが見えます。それが10時半のこと、あとはひたすら待つのみです。列からお店の中の調理場が少し見えるのですが、白衣姿のお年寄りが肉を切っているようですね。ネットなどでは「お客さんが注文してから肉を切る」みたいな書き込みがありましたが、やはりこれだけのお客さんを相手にするのでは、そんな悠長なことはしていられないのでしょう。
 ちょうど11時に、店員さんが暖簾をもって外に出てきました。並んでいたお客さんは我先に店内になだれ込む、などということは全くなく、1組ずつ順番に中に入ってカウンターや座敷に席をとっていきます。私が入った時には5席あるカウンターはすでにいっぱいだったので、4人掛けのテーブル席へ。もちろん相席になります。座敷には6人が座れるテーブルが2卓と、4人テーブルが1卓ありますが、6人のテーブルはそれぞれ4人ずつのグループで一杯でした。さあ、このお店の定員は何名でしょう。結局、その時点で並んでいても座ることが出来なかった人が5人ほどいたようです。そのうちの3人はお店の中に入って立って待ってますね。私のテーブルのすぐそばなので、なんか申し訳ない気持ちになってしまいます。
 一通りお客さんのポジションが決まったところで、店員さんが注文を取り始めます。それは、正確に並んでいた順番になっていたのには、ちょっと驚いてしまいました。まずはカウンターの一番端の人、そのあと座敷に戻って4人のグループ、そして、残りのカウンター、そのあとに私です。ここまできちんと順番を守ってくれるとうれしいですね。
 その注文は、カウンターの奥の調理場のおじいさんに伝えられると、おじいさんは大きな声で「特ロース1ちょう」とか復唱していきます。そして、続く注文にもいちいち復唱していくのですが、特にそれをメモするでもなく、暗記して仕事に入っているみたいですね。大きな鍋が2つ、少し腰の曲がり始めているおじいさんにしてみるとそれは少し高い位置にあるのですが、そこには自らの全力を注いで衣にくるんだ肉を油に入れる姿がありました。それを1枚1枚焼け具合を確かめながら揚げていきます。大きな肉を使った「特ロース」は、もう一つの鍋に移して二度揚げしているようですね。
 出来上がったとんかつは、横に切った後に、縦に長く切るというユニークな切り方がなされているようです。こうすると、どの肉片も一口で食べられるようになるのでしょう。最初にそれを出されたカウンターの青年は、その真ん中の肉片をひっくり返して切れ目が見えるようになったものを、デジカメとスマホで写真に撮っていました。あとでSNSにアップするのでしょうか。
 私の分の「ロースかつ定食」も、すぐに出来てきました。そういえば、さっきの青年が食べ終わって席を立ったのは11時24分でした。ずっと立っていたお客さんが、すぐにそこに座ります。
 そんな、おじいさんの全人格が込められたほど、丹精込めて作られたとんかつがおいしくないはずがありません。衣はカリッと揚っていて、ちょっと揚げ過ぎかな、という気がしたのですが、肉はとてもやわらかく程よい肉汁も味わえます。まさにこれは職人のなせる技です。それがたった1000円で食べられるのですからね。
 でも、悲しいことに、私はこれ以上のとんかつを体験してしまっています。それは、単なる技術を超えたまさに「芸術」の域に達したもの、いつかこれを超えるものを食べてみたいと思っているのですが、ここでもその願いが叶えられることはありませんでした。わたしのとんかつ遍歴は、まだまだ続きます。なんちゃって。
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by jurassic_oyaji | 2015-11-08 21:15 | 禁断 | Comments(0)