おやぢの部屋2
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PÄRT/Passacaglia
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Anne Akiko Meyers(Vn)
Elena Kashdan(Pf)
Kristjan Järvi/
MDR Leipzig Radio Symphony Orchestra & Chorus
NAïVE/V5425




クリスティアン・ヤルヴィとMDRライプツィヒ放送交響楽団による「サウンド・プロジェクト」の第4弾なのだそうです。前作では、ひどい編集ミスやクレジットの印刷ミスがあったのであらゆる手を使ってそれを関係者に知らせたのですが、完全に無視されてしまいました。そのような重大な「お客様の声」を全く重視していないのは、今回も性懲りもなくミスプリントを繰り返していることでも分かります。もうこのレーベルは終わっています。
間違っているのは、ソリストのアン・アキコ・マイヤースが参加している曲目のクレジットが、本当は「4曲目から6曲目」のはずなのに、「5曲目から7曲目」になっているのと、その「6曲目」の「フラトレス」のヴァイオリン・ソロが入ったバージョンが作られた年代です。曲目のリストでは(1977/1992)となっているのに、ライナーには「1977年のヴァイオリン・ソロと弦楽合奏のバージョン」と書いてあるのですから、いったいどちらを信じたらいいのでしょう。
ふつう、こういう間違いがあった物が市場に出た時には、こちらのようにひと言「お詫び」を入れるというのが社会常識なのですが、このレーベルと代理店はそれを怠っているか、あるいは、信じられないことですがこれらのミスに気が付かないのですから、最悪です。
ただ、そんな劣悪な会社ではなく、ごく普通の人でも、ペルトが作った「フラトレス」という曲のバージョンの多さには、様々な混乱を抱いてしまうはずです。最近はバーサンもいますし(それは「ウェイトレス」)。そもそも、ものの本ではオリジナル・バージョンとされる「弦楽五重奏と木管五重奏」という編成のものが、ペルトの楽譜を一手に扱っているウニフェルザールのカタログには見当たらないのですからね。そのカタログには、この曲のなんと17種類ものバージョンが載っているというのに。それ以外にも加藤訓子のマリンバ・バージョンもありますし。
指揮者のヤルヴィ一家は、ペルトとは家族ぐるみで親しく交際しているのだそうです。なんたって、このアルバムの中では唯一の「ティンティナブリ以前」の作品である「クレド」を1968年に初演したのがネーメ・ヤルヴィなのですからね。1992年に録音されたネーメ・ヤルヴィとフィルハーモニア管弦楽団とのCHANDOS盤(CHAN9134)では、ここでの息子のアルバムと同じ曲をその「クレド」を含めて4曲演奏しています。
しかし、その演奏と今回のアルバムの息子の演奏を比べてみると、ペルトの音楽に対する姿勢が全く異なっていることに驚かされます。いや、別に親子だからと言って同じような演奏をする必要などさらさらないのですけどね。というよりも、やはり息子としては親とは違うことをやって認めてもらいたい、あるいは長男のパーヴォと同等に扱ってもらいたいと思っているのかもしれませんね。頭髪に関してはこの二人に勝っているのですからいいのではないかとも思うのですが。
その違いは、演奏時間という分かりやすい数字ではっきりと示されています。つまり、どの曲でもクリスティアンの方がパーヴォに比べると極端にテンポが遅いのですよね。それに伴って、表現がかなり粘っこくなっています。言ってみればパーヴォの演奏は「現代風」、クリスティアンの演奏は「ロマンティック」でしょうか。正直、ただでさえ退屈なペルトの音楽でこんなことをやられると、聴いているうちに必要以上の安寧感に襲われてしまうのではないでしょうか。ちょっと寝不足気味の人だったら、確実に眠り込んでしまうことでしょう。
ここでは、「フラトレス」は2つのバージョンが演奏されています。ヴァイオリンのソロが入るものは、最初に長大なソロが加わっているので尺は長くなっているはずなのに、ソロの入らない弦楽合奏+打楽器のバージョンよりも演奏時間が短いのは、やはりソロが入ると相手に気を使ってそんなにテンポを遅く出来なかったせいなのでしょう。なんか、「小物」って感じがしません?

CD Artwork © Naïve
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by jurassic_oyaji | 2015-11-19 20:09 | 現代音楽 | Comments(0)