おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
SIBELIUS/7 Symphonies
c0039487_23053340.jpg



Hannu Lintu/
Finnish Radio Symphony Orchestra
ARTHAUS/101797(BD)




シベリウス・イヤーの2015年を締めくくるかのように、ここに来てまたまた新しいシベリウスの交響曲全集が何種類かリリースされています。BISから出たSACD(オッコ・カム/ラハティ響)にも興味は尽きませんが(ラトルのいかにもなセットはスルー)、今までシベリウスにはそれほど熱心ではなかったはずのハンズ、いやハンヌ・リントゥとフィンランド放送交響楽団が、いきなりなんと全集の映像を出してしまったので、ちょっと高価ではありますが、こちらを入手してみました。
ただ、いざ購入しようと思って通販サイトを見てみたら、不思議なことを発見。全く同じ商品なのに価格差があるものが2種類存在しているのですよ。「通常定価」だと、片方は9,277円でもう片方は12,419円と、3,000円以上の違いがあります。どちらもちゃんと日本語字幕も入っていて、その違いと言えば「日本語帯」があるかないかだけです。確かに、その「帯」は一読の価値がある労作ではありますが、それだけで文庫本4冊分の価格が上乗せされているというのは、ちょっと納得がいきません。
これは、要は正規に国内での販売を任されている代理店を通して販売されたものと、そのサイトが別のルートで直接メーカーから輸入して販売(並行輸入)していたものとの価格差なのです。はっきり言って、きちんとした販売店がこんなことをやるのは商道徳を完全に無視した薄汚いやり方なのですが、元々この「H」という販売店はまっとうなところではありませんから仕方がありません。もちろん、ここではしっかり帯の付いた代理店経由の商品を購入していますよ。
その帯に書いてある収録時間を見てみると、全部で584分とあります。ほぼ10時間、相当な時間ですが、そのうちの実際の交響曲の演奏時間は254分だけです。残りの330分は、リントゥ自身の解説によってそれぞれの交響曲が作られた時代背景や作曲家のその時の状況などが語られたものと、彼とフィンランドの作曲家との対談による交響曲のアナリーゼです。それは、リハーサルを行っている時の映像と楽譜によって、とても分かりやすく解説されています。ここだけ見ただけでも、シベリウスの作曲の秘密が分かるという素敵な「おまけ」ですよ。
そして、肝心の演奏は、このオーケストラの本拠地、2011年の9月に出来たばかりのヘルシンキのミュージック・センターの中にあるコンサートホールでのライブ映像です。ご存知、豊田泰久さんが音響設計を担当したホールですね。客席の全景が見られるカットがほとんどないのが残念ですが、例えば同じ豊田さんの手になるミューザ川崎とよく似たアシンメトリーの客席のレイアウトの、美しいホールです。ステージの床が白い色に塗装されているのが素敵ですね。
そのホールで録音された音は、最高です。音声はCDのフォーマット以上のハイレゾで再生されますから、このオーケストラの底光りのする弦楽器の音は、背筋が寒くなるような響きとなって聴こえてきました。
個人的な興味としては、昨年末に首席奏者として正式に採用された日本人のフルーティスト小山裕幾さんの姿が見れるのでは、ということでした。ただ、実際に小山さんが吹いていたのは「5番」だけ、あとは、「1、6,7」はブロンド、「2,3,4」は栗色の髪の、それぞれ公式サイトには載っていない若い女性がトップを吹いていました。サイト上でのもう一人の首席奏者は、リハーサルの映像でしか吹いていませんでしたね。一応「2015年に収録」とはありますが、詳細なデータがないのでそのあたりの事情は全く分かりません。
その小山さんの音は、前任者のペトリ・アランコのようなシャープなものではなく、暖かみはあるのだけれどちょっとこのオーケストラのサウンドには合わないような印象を受けてしまいました。偶然、彼らが来日した時の映像をテレビで見ることが出来ましたが、その時の小山さんの音の印象も、全く同じものでした。

BD Artwork © Arthaus Musik GmbH
[PR]
by jurassic_oyaji | 2015-12-01 23:08 | オーケストラ | Comments(0)