おやぢの部屋2
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STRAWINSKY/Petruschka, MUSSORGSKY/Bilder einer Ausstellung
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Mariss Jansons/
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
BR KLASSIK/900141




ストラヴィンスキーとムソルグスキーという二人の「スキー」の曲が入ったCDです。余談ですが、この苗字は女性だとストラヴィンスカヤとムソルグスカヤになるのだそうです。本当すかや?(東北地方限定おやぢ)
指揮をしているヤンソンスは、ついこの間までバイエルン放送交響楽団とロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団というともに世界で1、2を争うオーケストラの首席指揮者を兼任していましたが、今ではこのCDのバイエルン放響に専念です。さらに、以前からも関係のあったオーケストラはたくさんありましたから、今までに作られたCDは膨大なものになります。ですから、ここで演奏している「ペトルーシュカ」も「展覧会の絵」も、ともにこれが3度目の録音ということになるのですよ。それぞれ1回目はオスロ・フィル、2回目はロイヤル・コンセルトヘボウ管というところも共通しています。それぞれのオーケストラとの、それぞれの時期の演奏には、同じ指揮者でも細かいところで違っているところはあるはずですから、そんな比較も興味があります。さいわい、そのすべての録音を聴くことが出来ましたので、そのあたりを中心に。
「ペトルーシュカ」の場合は、オスロが1992年(EMI)、コンセルトヘボウが2004年(RCO)、そして今回のバイエルンが2015年に録音されています。この曲で注目したいのがフルート奏者です。そのフルートがヘンリク・ヴィーゼだったのです。2006年にこのオーケストラの首席奏者になったばかりのヴィーゼは、古株のフィリップ・ブクリーよりは録音の機会が少ないような気がしていましたから、これもてっきりブクリーだと思って聴いていたらあまりにもその演奏が新鮮だったので確かめたらヴィーゼだったのですね。というのも、今回のCDでは、どちらの曲でも重要なソリストの名前がきちんと表記されているのです。この曲だと、フルート、トランペット、そしてピアノのクレジットがありました。彼のソロには、すべてのフレーズに今まで聴いたことのないようなファンタジーが宿っていました。素晴らしいの一言に尽きます。
コンセルトヘボウのフルートは、おそらくエミリー・バイノンでしょう。彼女もとても繊細な演奏を聴かせてくれていますが、ヴィーゼを聴いた後ではちょっと当たり前すぎるような気になってしまいます。そして、オスロはもっと平凡な人でした。
「展覧会の絵」はオスロが1988年、コンセルトヘボウが2008年、今回が2014年です。ここでは、使っている楽譜に違いがありました。ヤンソンスはオリジナルのラヴェルのスコアに手を加えて演奏しているのですが、1回目と2回目以降とではその改変の場所が全然違っているのですよ。オスロでは、せいぜいティンパニのロールを少し加えて盛り上がりを作る程度。そして重要なのは「キエフの大門」の最後の部分で、このページでは再三ご紹介している(たとえばこちら)バスドラムを叩くタイミングが、新しい楽譜に見られるようなごくまっとうなビートになっていることです。
これが、2回目以降の録音では、まずこのバスドラムが古い楽譜のミスプリント通りに、とてもイレギュラーなタイミングで叩かれているのです。さらに、後半にはやたらと銅鑼や他の打楽器が楽譜の指定以外のところで盛大に鳴らされています。それと「バーバ・ヤーガ」の中間部でのフルート2本が交代で吹く三連符が、もっと細かいほとんど「トリル」に近い吹き方に変わっています。
そんな、ちょっとワイルドに変貌した楽譜を、コンセルトヘボウでは十分に生かし切ってとても力強い演奏を聴かせてくれていたものが、今回のバイエルンでは何ともお上品な演奏に終始しているものですから、なにかとても居心地の悪いものになってしまっています。両方とも最後に拍手が入っていますが、心なしかコンセルトヘボウのお客さんの方が熱狂しているな、と感じたのは、偶然ではないはずです。

CD Artwork © BRmedia Service GmbH
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by jurassic_oyaji | 2015-12-13 20:04 | オーケストラ | Comments(0)