おやぢの部屋2
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マンガの古本も登場します
 今は、こんな本を読んでいます。
 だいぶ前に書店で見かけて、その表紙のイラストがとても気になっていました。でも、なんだか話は古本屋とか古書といった、あまり興味がわかないようなものが登場するしているようでしたから、ちょっと読むのは遠慮しておきました。それに、どうもシリーズになっているようで6冊ぐらい出ていましたから、読み始めたらそれを全部読むことになるのも、ちょっと重たい気がしましたし。
 でも、この間東京に行くときに新幹線の中で読むような手ごろな本が手元になくなってしまったので、まあダメモトで読んでみるかな、ぐらいの気持ちでこの第1巻を買ってしまいました。そして読み始めたら、もう止まりません。確かになんか古臭い古書は登場していますが、それらはあくまで「小道具」として扱われていて、実際に読んでいなくても何の心配もなく読み進めるようになっていましたからね。なにしろ、主人公が「本を読むと体調が悪くなる」という体質の持ち主で、実際に本を読んだことはほとんどない、という設定ですからね。ただ、読んだことはなくても、本そのものは好き、という、私にも結構似たようなところもありますし。いや、私は別に読んで体がおかしくなるようなことはありませんが、結局本当に読んでおかなければいけなかった「名作」の類は、ほとんど読んだことはありませんからね。
 そんな主人公が働いている古本屋さんの店主が、この表紙に描かれた女性です。ミステリーのジャンルでは「アームチェア・ディテクティブ」と呼ばれる、実際に現場に行かなくても、話を聞いただけで犯人や犯行の様子が分かってしまう、というタイプの探偵に当てはまるのでしょう。私が読んだ中では、「謎解きはディナーのあとで」の景山執事みたいなものですね。この第1巻では、「アームチェア」ではなく、病院のベッドに横たわったままで事件を解決していましたからね。
 まあ、そんなミステリーとしてのストーリーも面白いのですが、なんと言ってもこの女性自身がかなりミステリアスな設定になっているのがとても気になるのですよ。いわば、彼女の「過去」を探る、というのもシリーズ全体の大きな流れになっているようですね。案の定、1巻を読んだら次が読みたくなるという巧妙な作り方に乗せられて、第2巻まで読み終えたところですが、まだまだこの「謎」は広がりを見せてきますからね。きっと6巻まで読んでしまうことになるのでしょう。
 私は古書には興味はないとさっき書きましたが、これを読んでいるとなかなか古書も奥が深いことが分かってきて、俄然興味がわき始めているところです。同じ本でも結末の違う何種類かの版がある、なんてのは、私だったらすぐに飛びつきたくなるようなテーマじゃないですか。まあ、そこにのめり込むことはありませんが、そういう世界を見せられるのを心から楽しめる、というところがあるのが、この本の魅力の一つなんですね。そして、そんな古書に絡めた本筋の「事件」も、謎が幾重にもめぐらされていてとても楽しめます。
 でも、最大の魅力は、栞子さんというこの女性探偵の描写なんですよ。色白の肌に長い髪、華奢な体つきで、話をするときはとても恥ずかしそうにしている、という人が、実は割と間近にいたりするんですね。ですから、この本を読む時にその人の姿を想像してみると、とてもリアリティが増してくるのですよ。こんなに楽しく本が読めることなんて、そうそうありません。
 ただ、その「リアル栞子さん」は、もうすぐ私の前からいなくなってしまいます。そんなはかなさまで加わって、この本を読んでいると、楽しさと一緒になにか切ない思いがついてまわるのです。こんな読み方は、邪道でしょうか。
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by jurassic_oyaji | 2016-01-26 23:53 | 禁断 | Comments(0)