おやぢの部屋2
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「カンターテン」は複数形
 聞いた話ですが、「バッハのカンタータは『カンターテ』と言わなければ、バッハに失礼だ」などとネットでつぶやいている人がいるそうですね。たしかに、この言葉はイタリア語の「Cantata」から来てる言葉ですが、ドイツ語では「Kantate」と書きますから、ドイツ人であるバッハが作ったものも彼らはおそらく「カンターテ」と発音していたのでしょう。だけど、それは別に日本人がそのように発音することを強要されるような筋合いのものではないはずですよ。早い話が「交響曲」と訳される言葉は日本人なら誰でも「シンフォニー」と言っていますが、この人の説に従えばドイツ人のベートーヴェンやオーストリア人のモーツァルトがが作った交響曲は「ズィンフォニー」と発音しなければ、「ベートーヴェンやモーツァルトに失礼」になってしまうということですからね。そんな風に考える人なんて誰もいませんよ。そのモーツァルトだって、フランス人は平気で「モザール」とか言ってますからね。こういう、全く何の意味ももたない枝葉末節にこだわる人を、心底軽蔑します。
 どうせこだわるのだったら、もっと意味のあるものにとことんこだわりたいものです。そのモーツァルトの場合、楽譜に書かれた音符をどのように演奏するか、ということに関しては、いろいろな説が唱えられていますね。これは、あしたの「おやぢ」のネタなのですが、例えばこんな楽譜では、2通りの演奏が考えられます。
 音符の前に書かれた小さな音符は「前打音」と言いますが、モーツァルトの自筆稿には四分音符で書かれているものが、この楽譜を校訂した人が「八分音符で演奏しなさい」という意味の注釈を[]の中に書いています。つまり、真ん中の楽譜のようなリズムで歌え、ということですね。これが、この楽譜が出版されたころの常識でした。しかし、しばらくすると、この前打音をそのまま四分音符で演奏する人が現れました。確かに、バロック時代の文献などにはそのような指示が書かれていますから、そのあたりの研究が進んでくると、モーツァルトの時代でもそのように演奏する方が好ましいと思われてきたのでしょう。つまり、一番下の楽譜のリズムですね。
 ところが、最近になって、モーツァルトではやはり八分音符の方がしっくりするのでは、という人が増えてきたようなのですね。まあ、こればっかりは実際にこの時代の演奏を誰も聴くことはできないのですから、どちらが正しいのかは永遠に分からないことになるのでしょう。私などは、正直「四分音符」はちょっとダサいのでは、という気がしますけどね。
 これは、どこから持ってきた楽譜なのかは、ここを訪れる人であればたぶんすぐわかることでしょう。この曲の場合、前打音の他にも付点音符の長さをどうするか、というような問題も2種類の考え方があって混乱していますね。これに関しては、私は「複付点派」です。
 ところで、前回の「リアル栞子さん」には、さっそくリアクションがありました。なんと、件名がそのものずばりの「リアル栞子さん」というメールが届いたのですよ。もしかしてご本人から、とも思いましたが、そちらとはアドレスが違っていましたから、別人です。でも、やはり同じ仲間の方でした。誰にもわからないだろうと思って書いたのですが、やはり分かる人はいたんですね。私と同じ思いで、「その時」に対峙しているという、いわば「同志」になるのでしょうが、こればっかりはどうなるものでもないので、とても辛いですね。いっそ、某アイドルのようにCDをたくさん買って応援すれば、事態はいくらかは好転するようなケースだったら、どんなに楽だったことでしょう。
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by jurassic_oyaji | 2016-01-28 21:21 | 禁断 | Comments(0)