おやぢの部屋2
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ほとんどのCDでは、「未完成」はまだ「8番」になってます
 このところ毎週日曜日にやっているのが、「杜の都合奏団」です。5回のリハーサルで曲を仕上げ、コンサートを開くというコンセプトの室内オーケストラです。その演奏会が、考えてみたらもう再来週の日曜日が本番ということになっていました。いつの間にか、ですね。暗譜だなんだと言って忙しくしていたら、いつもの間にかこんなことになっていました。さあ大変、いや、演奏は別に大丈夫なんですが、それのプログラムに曲目解説を書かなければいけないんですよね。こればっかりは演奏会が終わってから書いたってシャレにもなりませんからね。でも、そろそろ書き始めていますから、関係者の方々はご安心ください。
 だいぶ前から、曲目解説のためのネタ探しということでいろいろリサーチしていたのですが、正直私は今回の曲目のシューベルトに関しては殆どシロート同然ですから、どうもありきたりのことしか思いつきませんでした。なにしろ、今度演奏する2曲の交響曲は超有名曲なのですが、その前にある序曲が全く聴いたこともない曲でしたからね。つまり、全部の交響曲を聴いているぐらいのレベルでは、やはりシロートなんですよね。
 でも、その序曲が、聴いたことがないはずなのになにか聴き覚えがあるんですよね。「デジャヴ」ってやつでしょうか。なんか前にも聴いたことがあるようなメロディが、特に序奏の部分で出てくるんですよ。でも、シューベルトですから、まあほかのリートとかピアノ曲はよく耳にするわけで、そのあたりで使われていたメロディがよく似ていたのかもしれませんけどね。でも、ちょっと資料を調べてみたら、この曲の「序奏と終結部は、後にオペラ『魔法の竪琴』」の序曲に転用された」などという記述が見つかりました。そんなマイナーなオペラなんて、もちろん聴いたことがありませんが、NMLにはあったのでさっそく聴いてみたら、これの序奏が確かにこの序曲と瓜二つでした。しかし、その序奏が終わって主部になると、途端に聴きなれた音楽が始まります。それは「ロザムンデ」の序曲でした。いや、「ロザムンデ」だったら大好きな曲で、その序曲も耳にタコができるほど聴いていたはずなのですが、それと同じものにこんなとこれでお目にかかれるなんて。さらに調べると、この序曲は実はさっきの「魔法の竪琴」の序曲をそのまま丸ごと流用していたことも分かりました。ということは、その序奏の部分もやはりミミタコだったはずなのに、そのモティーフをほとんど使った「イタリア風序曲」(実際は、こちらの方が先に作られています)の序奏を聴いても、それが「ロザムンデ」の序奏だとは気が付かなかったのですよ。やっぱりシロートです。
 非常に言い訳がましくなりますが、「ロザムンデ」序曲を聴いていた時には、序奏はとても退屈に感じられました。聴きたいのは主部だけだったのに、その前になんだかわけのわからないものが付いているなあ、早く終わらないかなあ、という気分で聴いていたのでしょうね。そういうものは記憶に残らないのでしょうね。改めてちゃんと聴きなおしてみると、もうそれは「イタリア風」そのものだと瞬時に分かってしまいますけどね。今さらながら、とても新鮮な体験でした。
 さらに、そのコーダも、こちらはそっくりというよりまるで同じものでしたね。これは「ロザムンデ」だけではなく、今度一緒にやる「交響曲第8番」にも転用されていて、そっちの方はすぐに気が付いたのですけどね。
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 というような、なかなか緻密に計算されたプログラミングの演奏会は3月13日の日曜日に、宮城野区文化センターのパトナホールで開催されます。開演は午後2時です。お声をかけていただければ無料のチケットを用意しますので、ぜひ聴きに来てみてください。
by jurassic_oyaji | 2016-02-29 21:16 | 禁断 | Comments(0)