おやぢの部屋2
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JANÁČEK/Mládí
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Woodwinds of the Royal Concertgebouw Orchestra
Emily Beynon(Fl), Macías Navarro(Ob)
Olivier Patey(Cl), Davide Lattuada(BCl)
Gustavo Núñez, Jos de Lange(Fg)
Fons Verspaandonk(Hr), Jeroen Bal(Pf)
RCO LIVE/RCO 15008(hybrid SACD)




ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の管楽器の首席奏者たちが集まって録音した室内楽のアルバムです。だいぶ前に、同じように首席奏者たちの協奏曲集がPENTATONEから出ていたことがありましたが、今回はコンセルトヘボウの自主レーベルです。しかし、録音スタッフを見ると担当しているのはお馴染みのPOLYHYMNIAの面々ですから、内容的には同じ作られ方をされていると考えていいのでしょう。もちろん、SACDですし。
ここで演奏されているのは、全て20世紀に作られた木管楽器が中心になったアンサンブルのための曲です。管楽器だけではなくピアノが加わっているものも有ります。ただ、木管楽器のアンサンブルといえば真っ先に思い浮かべる「木管五重奏」(オーケストラで使われる4種類の木管楽器+ホルン)の編成によるものは1曲もない、というのがユニークなところです。ヤナーチェクの「青春」は、その木管五重奏にバス・クラリネットが加わった六重奏ですし、ピアノが加わるマルティヌーの六重奏曲は5本の管楽器の内訳がフルート、オーボエ、クラリネット+ファゴット2本という編成です。一番まともなのは、普通の木管五重奏にピアノが入ったプーランクの六重奏曲ということになるのでしょうか。そしてもう1曲はシャンドール・ヴェレシュのオーボエ、クラリネット、ファゴットのためのトリオです。これは、リードを持った管楽器のアンサンブルということで、フランス語では「トリオ・ダンシュ」と呼ばれます。呑兵衛や女性には出来ません(「トリオ断酒」または「トリオ男子」)。
ただ、とても不思議なことですが、ジャケットやブックレットの曲目紹介の部分では、それぞれの編成が全く記載されていません。確かにライナーノーツを読めばその少し変則的な編成に関してはいくらか述べられてはいますが、これではあまりにも片手落ち。
ブックレットに写真がありますが、この録音は彼らの本拠地のコンセルトヘボウで行われました。それぞれの楽器に補助マイクは立っていますが、あくまでメイン・マイクが主体、ホール全体の響きの中でのアンサンブルが感じられるような音に仕上がっています。適度にブレンドされた音場の中で、それぞれのソロ・プレイもくっきり味わえるという、優れた録音です。
もちろん、ここでのお目当てはフルートのエミリー・バイノンです。彼女のフルートが聴こえてくると、アンサンブル全体のテンションが一気に高まるという、かつてのベルリン・フィルでのアンサンブルの中でゴールウェイが示していたような役割が、ここでも感じられてしまいました。それでいて、彼女の音色や表現はしっとりと落ち着いたものですから、決して浮き上がってしまうことはありません。
マルティヌーの六重奏曲の第3楽章(スケルツォ)は、フルートとピアノだけで演奏されます。ここでのバイノンののびのびしたテクニックと歌い口は、まさに絶品です。最近のこのオーケストラの映像ではもう一人の首席奏者のマッコールの方が演奏する機会が多いような気がしますが(あくまで個人的な感想です)こういうすごいソロを聴くとやはりバイノンの方が魅力的に感じられます。ヤナーチェクで持ち替えて演奏しているピッコロも素敵ですし。
もう一人とても気になったのが、ピアニストのイェルーン・バルです。コンセルトヘボウ管弦楽団とは関係の深いピアニストで、「ペトルーシュカ」など、オーケストラの中のピアノのパートなどをよく演奏している方だそうですが、いかにも気心の知れた間柄という感じで、とてもセンスの良いピアノを聴かせてくれています。プーランクの六重奏では、圧倒的なドライブ感も見せて、この曲から新鮮な味わいを引き出していましたね。
リゲティの先生であるハンガリーの作曲家ヴェレシュのトリオでは、第2楽章のアンダンテで聴こえてくるヌニェスのソフトなファゴットが聴きものです。

SACD Artwork © Koninklijk Concertgebouworkest
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by jurassic_oyaji | 2016-03-26 20:52 | フルート | Comments(0)