おやぢの部屋2
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ura*coco/GIFT
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ura*coco
関井うらら(Fl)
千野こころ(Hr)
小瀧誠(Pf)
KARAKURI/KRUC 0001




「ウラココ」という、ハンバーガーみたいな名前(それは「グラコロ」)のユニットのセカンドアルバムが、今静かなブームを起こしているのだそうです。なんでも、TSUTAYAのクラシックCD週間販売ランキングで1位を獲得したというのですから、すごいものです。その時の2位が川井郁子だというのですから、ちょっと普通のクラシックとは毛色が違うような気がしますが、なんであれ1位なんですから文句は言わせません。
これは、フルート奏者の関井うららさんと、ホルン奏者の千野こころさんというお二人が結成したユニット、関井さんの出身地が仙台市だということで、ご当地では盛り上がっているのだそうです。一方の千野さんは「南アルプス市」のご出身です。外国のお生まれか、と思ったら、信じられないことにそういう名前の自治体が山梨県にあるのだそうですね。合併によって生まれた市なので、新たに名前を公募したら、こんなことになってしまったのだとか、いったい住民の皆さんは何を考えていたのでしょうね。
それはともかく、このアルバム(正確には5曲しか入っていない「ミニアルバム」)のレーベルである「Karakuri Recoeds」というのはその南アルプス市にある、映画製作やイベント企画など、プロモーション全般の事業を行っている会社のレーベルなのだそうです。
関井さんも千野さんも、「本職」は吹奏楽などのトレーナーや指揮者なのだそうです。日頃は中学校や高校の吹奏楽部などに出張して指導を行っているのでしょう。しかし、このジャケットの写真を見ると、とてもそんな「先生」とは思えませんね。AKBのメンバーが間違って楽器を持たされてしまった風には見えませんか?あるいは、フルートはともかく、ホルンほどそんなアイドルからは遠いところにある楽器もありませんから、それが産むなんとも言えないミスマッチをねらってのもののようにも見えますね。
フルートとホルン、そこにサポートとしてピアノが入るという編成は、ちゃんとしたクラシックでもなかなかお目にかかれるものではありません。最初のトラックの「Flower Clown」でまずホルンが聴こえてくると、そこにはほとんどブラームスのような雰囲気が漂います。しかし、そんな中で歌われるメロディが何とも健康的な、まるでNHKの合唱コンクールの課題曲のようなものだったところに、ちょっと不気味なものを感じないわけにはいきません。おそらくこの不気味さのことを、彼女たちは「新たなる可能性」と言っているのでしょうね。そのあとに同じメロディで歌い始めるフルートの方は、やはりこの楽器にはどんな種類の音楽にも対応できる柔軟性が備わっていることに改めて気づかされるのですけど。
2曲目の「絆」は、このアルバムの中では作品としてのクオリティは一番高いような気がします。まるでフランスの印象派のような粋なテイストは、したがってそれほどの表現力を持っていないこのお二人には、ちょっと荷が重いのかもしれません。
3曲目の「真昼の月」は、「♪真っ白な陶磁器を~」で始まる、小椋佳子が歌った陽水の「白い一日」と酷似していますし、次の「かぜのおくりもの」という曲も、美空ひばりの「川の流れのように」を参考にしているな、と感じられた時点で、興味が失われてしまいます。でも、最後の「ミルク」は、タイトルからは想像できないようなシンコペーション満載のとても元気が出る曲ですね。
フルートは、とてもさわやかな音色で、自己を主張するというよりはしっとりと語りかけるような吹き方です。力はないけど耳元でささやくような感じでしょうか。こういうものに癒される人がいても、一向に構わないのですが、彼女たちが10年後にも同じスタイルで演奏していたりしたら、それはやっぱり不気味ですね。「賞味期限があるクラシック」というのも、世の中にはあるのかもしれません。

CD Artwork © Karakuri Records
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by jurassic_oyaji | 2016-04-09 21:38 | フルート | Comments(0)