おやぢの部屋2
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BRUHNS & SCHEIDEMANN/Organ Works
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Bine Bryndorf(Org)
DACAPO/6.220636(hybrid SACD)




「北ドイツ・オルガン楽派」のアルバムです。それは、大体西暦1600年から1700年にかけて北ドイツの都市で開花した、オルガン音楽の黄金時代と言われる時期の作曲家たちの総称なのですが、もちろんそのような呼び名は後の人が付けたもので、当の作曲家たちが「おれは『北ドイツ楽派』の作曲家だ」とか言っていたわけではないのでしょうね。要は、バッハのちょっと前に活躍した作曲家によって作られた作品群で、もちろんバッハの膨大なオルガン曲にも影響を与えた素晴らしい曲がたくさん揃っています。
これは、今まで録音の面では決して裏切られたことのないDACAPOレーベルのしかもSACDです。タイトルになっているブルーンスとシャイデマンという、ともに「北ドイツ・オルガン楽派」を代表する作曲家の作品が収められています。
先に生まれたのはハインリヒ・シャイデマンの方。「楽派」の先駆けとでも言うべき偉い人なのに、タイトルが後になっていても気にしないという奥ゆかしい人です(シャイなマン)。父親がハンブルクの聖カタリーナ教会のオルガニストだったため、ハンブルクの教区会からの奨学金によって4年間アムステルダムでスウェーリンクの教えを受けることになります。ドイツにもどってからは、父親の後を継いで聖カタリーナ教会のオルガニストとなり、亡くなるときまでその地位にあり、その間多くの生徒を育てました。その中にはおそらく「北ドイツ・オルガン楽派」を代表する作曲家であるあの有名なディートリヒ・ブクステフーデも含まれていたそうです。
そして、そのブクステフーデの教えを受け、「楽派」の最後の輝きを支えたのが、ニコラウス・ブルーンスです。やはり父親がオルガニストという音楽家の家系に生まれ、リューベックで伯父のペーター・ブルーンスに弦楽器、ブクステフーデにオルガンを学んだ後、フースム市のオルガニストとなりますが、31歳の若さでこの世を去ってしまいます。
期待通り、まず聴こえてきたシャイデマンの曲は、とても素晴らしい録音でした。使われているオルガンは1555年にオランダのビルダー、ヘルマン・ラファエリスが作った、まだルネサンスの様式がリュック・ポジティーフなどには残っていた楽器です。その後何人かの人によって改修が行われた後、最終的には1991年に全面的に修復されています。その結果、1555年当時のパイプの音が甦っているのだそうです。
確かに、そのような鄙びた、特にリード系のストップの音が、このシャイデマンの「トッカータ」あたりではとてもリアルに味わうことが出来ます。ところが、その時のレジストレーション(ストップの組み合わせ)を知りたい人は「こちらのサイトを見ろ」とブックレットにURLが書いてあるのですが、そこにはブックレット以上の情報は何もないんですけど。せっかく残響も含めたこの大聖堂全体のアコースティックスも、とても生々しく響いているのが心地よい録音なのに、サイトが足を引っ張ってますね。
そして、後半のブルーンスの作品になって最初の「ホ短調のプレリュード」が聴こえてきた時に、そんなに有名ではない曲のはずなのにしっかりその中の細かいところまでがデジャヴとして甦ってきたのには、驚いてしまいました。確かに、何十年か前のLPしかなかった時代に、ARCHIVから出ていたロベルト・ケプラーの演奏による「北ドイツのオルガンの巨匠」というタイトルのレコードを持っていて、それを繰り返し聴いていたことがありました。

当時はコレクションは何枚もありませんでしたから同じアルバムを聴き込むことが出来たんですね。斬新なペダルの動きや、思いもかけない転調などずっと記憶の中に残っていたものがまさにこのSACDの中から聴こえてきたのです。
そんなとっかかりがあると、この中の他のブルーンスの曲もとても親しみやすく聴くことが出来ます。シャイデマンとはやはり全く異なる様式を持っていることも、そして、それはバッハとはまた違った魅力にあふれていることにも気づかされるのです。

SACD Artwork © Dacapo Records
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by jurassic_oyaji | 2016-05-03 20:42 | オルガン | Comments(0)