おやぢの部屋2
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DEBUSSY/Sonatas
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Boston Symphony Chamber Players
Joseph Silverstein(Vn), Jules Eskin(Vc)
Michael Tilson Thomas(Pf)
Doriot Anthony Dwyer(Fl)
Burton Fine(Va), Ann Hobson(Hp)
PENTATONE/PTC 5186 226(hybrid SACD)




おなじみ、PENTATONEのUNIVERSAL系のレーベルの昔のアナログ録音をSACD化したシリーズの中に、1970年に録音されたDGの音源がありました。いや、実はこの商品の案内が出た時には、ピアニストのMTTの名前が前面にあったので全く気付かなかったのですが、最近になって当時のボストン交響楽団の首席フルート奏者のドリオ・アンソニー・ドワイヤーが参加していたあのアルバムだったことに気が付いて、今頃入手したものです。ここでは、そんなボストン交響楽団の首席奏者たちが集まったアンサンブル「ボストン・シンフォニー・チェンバー・プレイヤーズ」が演奏、若き日のマイケル・ティスソン・トーマスがピアニストとして加わっていたのでした。
初出のアルバムジャケットが今回のブックレットにも紹介されていますが、実際に聴いていたのはその後廉価版でリイシューされたものでした。もちろんジャケットも全然違います。ただ、この中ではドワイヤーが演奏しているトラックだけ、つまりB面だけしか聴いてはいませんでしたね。
ドビュッシーは晩年に、彼の作品の出版社であるデュランから様々な楽器による6曲の「ソナタ」を作るように依頼されます。「6曲」というのは、昔の作曲家がひとまとめにして出版する時の曲数の単位として浸透していたもので、ドビュッシーもそれに倣ったのでしょう。それらの「ソナタ」の楽器編成なども計画し、表紙のデザインまで決まっていてあとは作曲するだけになっていたのに、結局最初の3曲を作り上げたところで、ドビュッシーよ、そなたは亡くなってしまったのじゃな。
それによると、その6曲とは


  1. チェロとピアノのためのソナタ
  2. フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
  3. ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
  4. オーボエ、ホルンとクラヴサンのためのソナタ
  5. トランペット、クラリネット、バソンとピアノのためのソナタ
  6. コントラバスと各種楽器のためのコンセール形式のソナタ

なのだそうです。もう少し長生きして、ぜひとも4曲目のクラヴサンが入った作品も作っておいてほしかったですね。「クラヴサン」と言ってますが、この頃だと世の中にあったのは「モダンチェンバロ」だけでしたから、間違いなくドビュッシーもこの楽器のために作っていたはずです。貴重なモダンチェンバロのための作品が生まれていたものを。
まあ、ないものはしょうがないのですが、作られたものの中にフルート、ヴィオラ、ハープという何ともユニークな組み合わせの「ソナタ」が入っていたのはこの上もなく幸運なことでした。ドビュッシーは、フルーティストのためにとびっきりの作品を残してくれていたのですからね。さらに、この作品からインスパイアされた武満徹までが、全く同じ編成の曲(「そして、それが風であることを知った」)を作ってくれたのですから。
せっかくですので、まずLPで今まで聴いてなかったA面の「ヴァイオリン・ソナタ」と「チェロ・ソナタ」を聴いてみることにしました。そのあと、今回のSACDと聴き比べてみたのですが、その音が全然別物になっていました。このレーベルでは、リマスタリングは元PHILIPSのエンジニアだった人たちが行っています。PHILIPSレーベルの音源ではそれが良い方に働いて素晴らしいものが出来上がっていたのですが、DGで同じことをやってしまうと、なんだか元の音源の密度が消え去ったスカスカの音になってしまっているんですね。シルヴァースタインのヴァイオリンも、LPでは感じることが出来た「はかなさ」のようなものが、SACDではきれいさっぱりなくなってしまっていました。MTTのピアノも、妙に甲高い音になっていますし。
お目当てのドワイヤーのフルートも、なんだか彼女の欠点ばかりが強調された音になっていて、LPでは確かにあったはずのの存在感が全然ありません。リマスタリングでこんなに音が変わってしまうなんて、恐ろしいことですね。

SACD Artwork © Pentatone Music B.V.
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by jurassic_oyaji | 2016-05-05 20:20 | フルート | Comments(0)