おやぢの部屋2
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あくまで録音の話で、演奏自体はちょっと、です
 きのうの「禁断」で書いた「参考のために」買ってきたLPは、ショルティが指揮したバルトークの「オケコン」の1980年に録音されたものでした。それは「高音質盤」みたいなコーナーにあったもので、「デジタル録音」というのが前面に押し出されていたものです。まさにデジタル録音がメジャーレーベルでも始まった時の空気を象徴するような売り方でしたが、それを裏付けるためにこんなスペック表がジャケットに印刷されていました。
 これで興味深いのは、DECCAが最初に採用したデジタル・レコーダーは16bit/48kHzというフォーマットだったということです。SONYが大々的に売り出していた、CDと同じ16/44.1ではなかったんですね。とは言っても、実質的にはCDとはほとんど変わらない規格なのでしょうね。ですから、それをLPにしてみたところで、当然アナログ録音にかなうわけがありませんから、予想通りなんと言うこともない音でした。弦楽器の音もまさにCDで聴けるような潤いのないものでした。
 そんな感じで、日本プレスと初期のデジタル録音という2つの面でLPの悪いところを身をもって体験してしまったので、それではあまりにLPに失礼だと思い、実はおとといもう1回中古レコードを見に行ってきました。この前はざっと見ただけだったのですが、詳しく見てみるとここには数か所のお店が出店していたようで、クラシックもそれぞれの場所に分かれておいてあったんですね。その、まだ見てなかったところを見てみたら、きちんと輸入盤も置いてあってなかなかいいものも見つかりました。これが収穫です。
 ミケランジェリのドビュッシーは、昔国内盤を持っていたのに友達のところでレコードコンサートをやるというのでもっていったら、わけのわからないスプレーをかけられて盤面がめちゃめちゃになってしまったという、悲しい末路をたどってしまいました。だからもう手元にはないのですが、同じもののCDを買ってもいまいちピンとこなかったので、いつかはLPを買い直したいと思っていたもの。これはドイツ盤でしたから、全く何の問題もなく、やはりCDとは全然違う音でした。あとはヴァルヒャのオルガン。割と新しめのコンピのようですが、やはりドイツでのプレスですから素晴らしい音でした。たぶん、昔「無伴奏」あたりでこれと同じものを頻繁に聴いていたのでしょう、なにかとても懐かしい感じがしましたね。今にして思えば「無伴奏」のオーディオはそんなにいい音ではなかったようで、それよりもずっといい音で聴けましたよ。
 さらに、さっき残念だったデジタルの「オケコン」(右)の前、1965年に録音されていたアナログの「オケコン」(左)も、キングの国内盤が見つかりました。これが、リイシューではありますがマトリックス・ナンバーを見るとしっかりイギリスでカッティングされたマスターが使われているようですから、期待が持てます。いや、それはまさに期待以上でした。針を下した瞬間、ちょっとしたサーフェス・ノイズに続いて聴こえてきたのは、紛れもないデッカ・サウンド、ヌケのいい音場と崩壊一歩手前の瑞々しい弦楽器の肌触りでした。これをこちらのシングル・レイヤーSACDと比べてみると、このLPの方がずっと生々しいんですよね。LPは出来たばかりのマスターテープの音がそのまま「固体」として保存されたもの、一方のSACDは、的確にデジタル化されてはいるものの、そのもとになったテープでは経年劣化が起こっていたもの、もしかしたらそのあたりの違いがきっちり音になって表れていたのかもしれませんね。LP恐るべし、です。ただ、「固体」であるLP自体の経年変化も、サーフェス・ノイズの増加というかたちで現れているのでしょうから、一概には優劣は語れませんが。
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by jurassic_oyaji | 2016-05-09 21:35 | 禁断 | Comments(0)