おやぢの部屋2
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DEVIENNE/Flute Concertos Vol.1
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Patrick Gallois(Fl)
Swedish Chamber Orchestra
2xHD-Naxos/No Number(DSD128)




こちらに書いたように、いつの間にか5.6MHzDSD、つまりDSD128(またはDSD 2、あるいはDSD double)を聴ける環境が整ってしまいました。殺虫剤じゃないですよ(それは「DDT」)。そこで一度でもそのフォーマットの凄さを体験してしまうと、今までCDで聴いてきたものをこれで聴き直したくなってきます。そこで、そういうものを扱っているサイトでいろいろ探してみると、あるレーベルが、配信専用でこのような超ハイレゾの音源を多数用意していることに気づきました。それが「2xHD」というカナダのレーベルです。
このレーベルは、アンドレ・ペリーというプロデューサーと、ルネ・ラフラムというエンジニアが共同で運営しています。それぞれ華々しいキャリアを持った人たちですが、ここでは名前の通り、普通の「HD(High Definition)」の2倍の鮮明度の音源を目指しているようです。「これを聴いてしまうと、あなたはもはやMP3には戻ることはできない」などという挑発的なコピーが、彼らのサイトには踊っています。
実は、彼らは基本的に「録音」という作業は行わず、すでにリリースされている音源に手を加えて、ハイレゾ用のデータを作り上げるという作業をもっぱら行っているのです。ここは、そういう「リマスタリング」専門のレーベルです。
実際の彼らの作業は、まず音源をDXD(24bit/352.8kHzPCM)かDSD(あるいは DSD 2 )にトランスファーするところから始まり、それにリマスタリングを行い、一般的なハイレゾ音源の24/48から最高は24/192、そしてDSD 2までのデータを提供するということになるのでしょう。特に、NAXOSの音源を用いた時には、このように「2xHD-Naxos」というレーベル名を付けています。ただ、この場合、扱うのはNAXOSレーベルだけではなくNAXOSが販売に関わっているPROPRIUSなどのレーベルも含まれているようです。
ということで、このレーベルの5.6MHzDSDのラインナップを見てみたら、だいぶ前にCDで聴いていたこちらのアルバムがつい最近そんなリマスタリングを施されて配信が始まっていたことが分かりました。そこで、それがどの程度のものなのか聴いてみようと、フルアルバムではなく「フルート協奏曲第2番」だけを買ってみて、CDの音と比べてみることにしました。
それは、冒頭のしなやかな弦楽器の音を聴いただけで、CDとは全く別物であることが分かりました。まず、弦楽器の音色が違います。CDでは高音がとても硬い、はっきり言って長い時間聴いているのは苦痛に感じられる音なのですが、このDSDはそんな硬さは微塵もない、あくまで伸びやかな音です。当然、いつまでもこの音の中に浸っていたいという欲求が、ごく自然に生まれてきます。音を聴くだけで幸せになれるという安らぎ感、それはなかなかCDでは味わうことが出来なかった感覚です。
そして、それぞれの楽器がとても立体的に聴こえるという、これはハイレゾでまず感じることですが、それがこれほどはっきりしているものもなかなかお目にかかれないでしょう。変な喩えですが、CDではそれぞれの音がコールタールのようなものでべったりくっつきあっているものが、このDSDでは、そんなベタベタがきれいさっぱり洗浄されて、ピカピカになった音だけがくっきりと聴こえてくる、みたいな感じでしょうか。長い前奏が終わってやっと出てくるガロワのフルートは、ひときわ輝いてピチピチしています。
第3楽章のロンドでは、まるでマルチチャンネルからリミックスしたみたいに、楽器のバランスまでが違って聴こえてくるところがありました。それは、最後の方でフルートソロに絡み付くソロ・ヴァイオリン。DSDだと、まるでスポットライトを浴びたように、くっきり聴こえてきますよ。
これは、録音する時にハードディスクに収められたはずの音がCDになるといかに「汚れて」しまっているかが、端的に分かってしまうという、ある意味恐ろしいものです。それにつけても、この業界ではそういうファイルになぜ識別用の「品番」を付けようとはしないのでしょうか。

DSD Artwork © 2xHD-Naxos
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by jurassic_oyaji | 2016-07-09 21:21 | Comments(0)