おやぢの部屋2
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MENDELSSOHN/Symphonies No.3 & No.4




Roger Norrington/
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart des SWR
HÄNSSLER/CD 93.133



ノリントンのメンデルスゾーンの交響曲選集のうちの3、4番、実は先日ご紹介した1、5番と同じ時期に発売になったのですが、何でも不良品が混ざっていることが発覚したために店頭に出て3時間後に全品回収、再プレスを行って、やっと良品が出回るようになったということです。急行でやったのでしょうか(それは「エクスプレス」)。このジャケット、指揮者の顔の半分だけがデザインされたものですが、それぞれ同じネガ(ではなく、最近ではデータでしょうか)の右と左を使ったもので、2枚並べるとちゃんとした顔が現れるようになっています。実際、そんな風にディスプレイしているところもあったというのに、とんだケチが付いてしまったものです。
今回、もっとも楽しみにしていたのは「4番(イタリア)」でした。この曲の持つ明るさと軽さが、まさにノリントンの芸風とピッタリ、さぞや軽快な「イタリア」が聴けるのではないかと思ったのです。しかし、第1楽章のテンポ設定はちょっと意外でした。全く当たり前のテンポ、これよりももっと軽やかに演奏している人はいくらでもいるのに、という当惑感を抱いてしまいました。ところが、この楽章の最後になって、ノリントンはとびっきりのサプライズを提供してくれました。475小節目の「Più animato poco a poco(少しずつ、より生き生きと)」という指示のある部分で、いきなりテンポを上げ、そのままエンディングになだれ込むということをやっているのです。今までのテンポは、ここを強調するための伏線だったのですね。厳密に言えば、「poco a poco」ですからこの解釈は楽譜に忠実な演奏とは言えませんが、ここで生まれるインパクトには、ちょっと凄いものがあります。これがあるうちは、ノリントンから目を離すことは出来ないでしょう。
しかし、そうは言っても、やはり彼の最近のアプローチには少し納得できないようなところもあるのは事実。前にも書いたように、ここでノリントンは弦楽器の人数を楽章によって増減させています。具体的には、3番では第3楽章、4番では第2楽章という、「ゆっくりした」楽章で、半分近くに減らす、ということをやっているのです。もちろん、これはノリントンの信念に基づき、「当時の習慣」を反映させたものなのでしょうが、前のアルバムと一緒に聴いてくると、どうもこれがあまりうまく機能していないように思えてなりません。今回は4番ではそこそこ室内楽的な透明な響きが出てはいるのですが、3番のような息の長いフレーズが続く場合が問題。演奏時間は1989年にオリジナル楽器のロンドン・クラシカル・プレイヤーズと録音した時より1分以上遅くなっていますので、モダン楽器を信じてたっぷり歌わせているのでしょうが、やはりこの人数の弦楽器がノンビブラートで演奏しているのでは、「しょぼさ」を隠すことは出来ません。説を曲げて、せめて人数を他の楽章と同じだけ確保しておけば、こんな情けないサウンドにはならないのに、と思ってしまうのですが、どうでしょう。
管のアンサンブルが非常に高いレベルにあるのはいつものこと、常にパートとして一体化したサウンドと表現が聴けるのは、このコンビが築き上げた最大の成果でしょう。しかし、前にも書いたように、時としてトゥッティの部分でもソリスティックな響きが顔を出し、必ずしも「ピュア」ではなくなっているのが、ちょっと気になるところです。今回は、なぜか金管のノリが悪い部分も多くみられますし。
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by jurassic_oyaji | 2005-08-26 19:49 | オーケストラ | Comments(0)