おやぢの部屋2
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MOZART/Requiem
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Margareta Hallin(Sop), Anne-Marie Mühle(Alt)
Brian Burrows(Ten), Magnus Lindén(Bas)
Stefan Sköld/
The Choir of S:t Jacob
Musicians from Stockholm Concervatory
2xHD-NAXOS/No Number(FLAC/ 24/192)




前回の2xHDの音があまりに素晴らしかったので、今度はアナログ録音からハイレゾにトランスファーされたものを聴いてみたくなりました。なんでも、このレーベルがアナログ録音のリマスタリングを行う時には、同時に同じ音源のLPを聴いて、それに近づけるように音を仕上げるのだそうですね。公式サイトにはものすごいターンテーブルの写真が載っていました。

そこで目についたのがこのアイテム、ステファン・ショルド指揮の聖ヤコブ教会の合唱団によるモーツァルトの「レクイエム」です。これはNaxosではなくスウェーデンのPropriusレーベルによって1979年の1月に録音されたものです。もちろん、最初はLPでリリース(PROP7815)されました。一応2005年にCD化(Prophone 015)もされています。
実は、このLPは「クラシック名録音106究極ガイド」でも取り上げられていたのですね。この2xHDというところは、そんな「名録音」と定評のあるものを探し出してきて、それをリマスターしてリスナーに届けるというのがポリシーなのでしょう。
このアルバムは、前回のドヴィエンヌを入手した「e-Onkyo」で扱っていました。しかし、なぜか今回はDSDはリリースされていなくて、24/192のPCMしか入手できないようになっていたのですよ。どんなフォーマットで販売するかというようなことは、あくまでレーベルの方針で決まるのだと思っていましたから、ちょっと残念ではあったのですが、仕方がないのでこの192FLACで全曲ダウンロードしてしまいました。
ところが、他のサイトを調べてみると、アメリカの「DSD Native」という、名前の通りDSDに特化して「商品」を扱っているところで、なんとこのアルバムの128DSDをちゃんと扱っているではありませんか。レーベルからはちゃんとDSDは提供されていたのに、なぜかe-Onkyoは独断でそれを販売していなかったのですね。
悔しかったので、DSD Nativeで「Lacrimosa」だけを買ってみました。そうしたら、1曲しか買っていないのに、ブックレットのPDFが付いてきましたよ。これは、このレーベルが制作したもの。そこにはしっかりジャケット画像や、トランスファーの際に使ったテープレコーダーやコンバーターの機種などのデータが記載されていましたよ。e-Onkyoはここでも、レーベルがきちんと用意していたものを消費者に届けることを怠っていたのですね。本当に、このサイトにはあらゆる面でがっかりさせられることばかりです。これでは「イー・オンキョー」ではなく、「イーカゲン・オンキョー」。
肝心の「レクイエム」の音はどうなのでしょう。それはもう、録音された聖ヤコブ教会の豊かなアコースティックスを完全に手の内に収めた素晴らしい音場が眼前に広がります。特に、ティンパニとトランペットのリズム隊が左奥に潜んでいて、ここぞという時にその存在感を示すあたりが、とてもドラマティック。主役の合唱は、左からソプラノ、ベース、テノール、アルトという北欧スタイルの並び方ですが、その外声と内声同士が程よく重なり合ってうまくブレンドされている上に、ポリフォニーではそれぞれの声部がきっちりと立っているという、エキサイティングな音場設定です。時折男声にはちょっと頑張りすぎの声が混ざりますが、それが音楽を停滞させることにはなっていません。
そんなサウンドに支えられたショルドの指揮ぶりは、基本的にとても穏やかで安心して聴いていられるものでした。ただ、「Rex tremendae」で合唱にも複付点を要求しているあたりは、この頃にしては先進的なアプローチが見られます。さらに、「Recordare」では冒頭のチェロがソロで弾いているように聴こえますし、曲によって弦楽器のプルトを減らしているところもあるようでした。「Lacrimosa」では間違いなくヴァイオリンの人数が減っているのでしょう。それはさっきの唯一のDSDで、よりはっきり分かります。やはり、DSD128は、192PCMを明らかに上回っているのですね。返す返すも残念なことをしました。

FLAC Artwork © Proprius Music AB
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by jurassic_oyaji | 2016-07-12 23:23 | 合唱 | Comments(2)
Commented by Hippo at 2016-07-12 23:56 x
こんばんは、いつも楽しく読ませていただいています。

配信フォーマットのことですが、

>なぜかe-Onkyoは独断でそれを販売していなかったのですね。

残念です。ですが、別にe-Onkyoに限った話ではなく

アメリカ:HDTracks は192kHz
イギリス:Presto Classical は192kHzと96khz
フランス:qobus は192kHz
ドイツ:HIGHRESAUDIOにいたっては96kHzのみ

となってしまってます。配信サイトの独断というより、レーベルとの契約の問題かと。
今回のアルバムだと、もしかするとNative DSDとレーベルの間に、DSDの配信に関して独占契約があったのかな、という気もします。

面倒な話ですが、どこのサイトで買おうか、というのもショッピングの楽しみとしてとらえてます(無理やり自分を納得させてます、が本心ですが)

ともあれ、e-Onkyoはブックレットの提供がないのは困りものです。(他の国内サイトと比べて、割とがんばっている方とは思いますが)
Commented by jurassic_oyaji at 2016-07-13 07:58
Hioopさま、コメントありがとうございました。
e-Onkyoの場合は、他のアルバムではちゃんとDSDが用意されていたので、不思議に思ったのですね。さらに、このサイトはMercuryの「1812年」でも、音源はモノなのにステレオ録音のデータを記載したりしてかなりいい加減なものですから、それ以外のサイトまで調べませんでした。
貴重な情報、ありがとうございました。