おやぢの部屋2
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The Phantom of the Opera










STYLEJAM/ZMBY-2301(DVD)


先日公開されたばかりの映画が、もうDVDになりました。すでにサウンドトラック盤はご紹介済み、もちろん、音楽的な内容はその時のものと変わる事はありません。あの時に、オペラの「ハイライト盤」と「全曲盤」について書きましたが、今回は言ってみれば映像も付いたオペラのDVDのようなものでしょうか。
ミュージカルとしての「オペラ座の怪人」は、もちろん音楽として非常に完成度の高いものです。これでもかというほどに贅沢に登場する極上のメロディ、それらが有機的に絡み合って、実際、下手なオペラをしのぐほどの感動を与えてくれるものです。しかし、ここで描かれているファントム、クリスティーヌ、そしてラウルを巡る愛という、ある意味完結した世界は、ガストン・ルルーの原作が持つ暗く猥雑な世界からは少し距離を置いたものでした。
この映画で監督のシュマッカーが最もこだわったのは、その原作の持つ世界観を取り戻す事だったのではないでしょうか。ミュージカルでは舞台作品という制約上、ある程度部分的に切り取った形でしか再現できなかったものを、映画の特性を最大限に使い切って、その細々とした設定をしっかり見せてくれている、というのが、今回の映画化の最大の功績だと思えるのです。それが最も良く現れているのが、オーバチュアの部分。ミュージカルでは、シャンデリアが上がっていく間に薄汚れたオークションの会場が豪華なオペラハウスに変わる、という、もちろんかなりインパクトのある場面転換があるのですが、この映画では、その上に、多くの人々でごった返す舞台裏の喧噪を事細かに描写してくれています。そこで私達が目にするのは、観客の目に触れないところで広がっている、まるで一つの独立した「町」ででもあるかのようなオペラ座の裏方。その入り組んだ迷路のような空間は、確かにファントムが誰の目に触れる事もなく出没できるという原作の描写が納得できるものになっています。
この作品、もちろんすでに劇場で何度も体験したものですから、今回、映像はパソコンのディスプレイで見、音はヘッドフォンで聴く、という究極のパーソナルな味わい方を試みてみました。そうすると、大画面とはまた違った魅力を発見する事になりました。最大の収穫は、映像のディーテイルが、劇場よりも鮮明に理解できたことです。意外かもしれませんが、劇場では時としてスクリーンの全体ではなく、ごく一部分しか見ていなかった事がはっきりしてしまったのです。今回は全体を見据えた上での細部という見方が出来、先ほどのような感想も生まれたのでしょう。
もう1点、音の面で、劇場のスピーカーは、特にサラウンド用のサブスピーカーのクオリティが意外に低い事がよく分かりました。ヘッドフォンで初めて聴けた生々しいSE、例えばファントムがバラの花びらをバラバラとちぎる音に込められた怨念などは、劇場のスピーカーからは決して聞き取る事が出来なかったものでした。
こんなすごい体験がご家庭で味わえるなんて、これは絶対お買い得。
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by jurassic_oyaji | 2005-08-29 20:17 | オペラ | Comments(0)