おやぢの部屋2
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RIMSKY-KORSAKOV/Scheherazade, TCHAIKOVSKY/Piano Concerto No.1
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Martha Argerich(Pf)
Kirill Kondrashin/
Royal Concertgebouw Orchestra
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
TOWER RECORDS/PROC-1978(hybrid SACD)




タワーレコードの復刻盤SACDシリーズで、初めてユニバーサル系のレーベルが登場しましたわー。ユニバーサルでもSACD化は頻繁に行われているのですが、そちらはシングル・レイヤー、こちらはハイブリッド盤です。
音源に関しては、ユニバーサルと全く同じ手順でマスターが作られているようです。DECCAとPHILIPSは、イギリスのClassic Soundによってオリジナル・アナログ・マスターテープからDSD64に変換されたマスターが使われているそうです。ところが、なぜかDGの場合には、Emil Berliner StudiosからDSDではなく24/192のPCMのマスターが提供されているのだとか。ユニバーサルでのリリースの時にはこちらもDSDだったはずなのに、なぜなのでしょう。それより、この「Classic Sound」というのは、おそらくかつてのDECCAのエンジニアが関係しているスタジオなのでしょうが、ネットで調べるとなぜかその情報が全く見つかりません。不思議ですね。
今回、その中にこのコンドラシンのアルバムがあったので、聴いてみたくなりました。実は、さるオーディオ・ショップの展示会で、試聴用のサンプルとしてこの「シェエラザード」のLPが置いてあったのですよ。それを実際に、最高級のオーディオ機器によって再生するという、なかなか興味深いデモンストレーション、一体どんなすごい音が聴けるのか、と期待したのですが、聴こえてきた音には完全に失望させられました。それは、なんとも薄っぺらで冴えない音だったのです。世の「オーディオ・マニア」は、こんな音で満足しているのでしょうか。お店の人は、おそらく名録音と信じてそのLPを用意したのでしょうが、どうやらその時の何百万円ものシステムからは、それを引き出すことが出来なかったのでしょう。ですから、それがSACDになって目の前にあれば、いったいあのデモはなんだったのか、という検証も含めて聴いてみたくなるじゃないですか。
いやあ、それは、その時に聴いた音とはまるで違っていて、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の美点を余すところなく引き出したというとても素晴らしいものでしたよ。デモの音は全体にのっぺりしていて起伏に乏しいものだったのですが、ここではそれぞれの楽器が輝いています。しかも、それは全体としてはとても繊細な響きとしてのまとまりを見せているのです。弦楽器はあくまで柔らか、コンサートマスターのソロはよく聴くほとんどコンチェルトのソリストのような押し出しの強いものではなく、きっちりオーケストラの中で弾いているという雰囲気が伝わってくるバランスです。もちろん、他の管楽器のソロもでしゃばったところは全くありません。さらに、ホールトーンの美しいこと。
そして、コンドラシンの指揮も、例えばストコフスキーのような脂ぎった演奏になじんだ耳にはちょっと物足りないものの、逆にこのいかにもロシア的な重心の低さからは、この作品の本来の姿がしっかり伝わってくるように思えてきます。とても上品な味わい、おそらく、こういうものは何度聴いても飽きが来るということはないはずです。
カップリングのアルゲリッチとのチャイコフスキーのピアノ協奏曲のジャケットも、ブックレットに忠実に再現されていました。

タイトルは「Hommage à Kirill Kondrashin」、録音された時には生きていた(当たり前!)コンドラシンですが、LPが出たのは急死した後だったので「追悼盤」という意味合いが込められていたのですね。そんな、まさに「一期一会」的な売られ方だったので、ものすごいセールスを記録したといういわくつきのライブ録音です。しかし、これはそのようなあくまで「記念」として聴かれるべき音源なのでしょう。指揮者がコンドラシンというだけで、こちらはバイエルン放送交響楽団、会場もヘルクレス・ザール、しかも弦楽器の並び方は対向配置ですから、「シェエラザード」との共通項は殆ど見つけらません。というより、あちらが「繊細」ならば、こちらは「がさつ」の極みです。

SACD Artwork c Decca Music Group
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by jurassic_oyaji | 2016-09-22 20:54 | オーケストラ | Comments(0)