おやぢの部屋2
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BERLIOZ/Symphonie fantastique
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Daniele Gatti/
Royal Concertgebouw Orchestra
RCO/16006(hybrid SACD)




前にも書きましたが、このレーベルの品番は、最初の2ケタがリリースの年、そのあとの3ケタがその年のアイテムの番号となっているはずです。ですから、これは2016にリリースされた6番目のアルバム、ということになります。このレーベルが年間にリリースするものはせいぜい多くて2ケタでしょうから、見栄を張って3ケタも用意しているのかな、と思ったら、最初の1ケタには映像ソフトの時には「1」が入るようでした。それだったら十分に間に合いますね。まあ、1年に多くても10タイトルというのは、作る方にしてもちょうどいいペースなのではないでしょうか。
そんな厳選されたリリースを貫いているRCOレーベルのジャケットデザインが、「地味に」リニューアルしたようです。今までは全体を水平に横切る何本かの帯に演奏情報が記入されていたものが、ここではセンターの正方形の中にまとめられています。これは、このオーケストラの首席指揮者が変わったことを強烈に印象付ける意図が込められたデザイン変更なのではないでしょうか。
これまで11年に渡って首席指揮者を務めてきたマリス・ヤンソンスの後を受けて2016/2017年のシーズンからロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のシェフとなったのは、ダニエレ・ガッティでした。これは、この新しいチームによる最初のSACD、まだ正式に就任する前の2016年3月と4月に渡って行われた3日間の同じプログラムによるコンサートでのライブ録音です。
この、新しい門出を象徴するようなアルバムのリリースでは、SACDだけではなく、DVDとBDという映像ソフト、さらにはLPまでも動員するという力の入れようです。ただ、映像ではコンサートでのすべての演奏曲目が入っていますが、SACDとLPでは「幻想」だけです。LPではそれが2枚組になっていて、かつてのLPには必ずあった。第3楽章の途中で再生を一旦中断してA面からB面に裏返さなければいけないという「欠点」を解消しています。もちろん、外周だけでカッティングを行っていますから、SACDに匹敵する音質も確保されているのでしょう。ついでですが、このアルバムのあたりから、録音フォーマットもそれまでの96kHzからDXD(おそらく384kHz)へとグレードアップしているようですね。
ガッティの演奏は、前任オケであるフランス国立管弦楽団と同時に音楽監督を務めていたロイヤル・フィルとの録音で何種類か聴いたことがあります。最初に聴いたのはマーラーの5番だったのですが、その、聴く者をいつの間にか音楽の中に引きこんでしまう、まるで魔法のような語り口にはとても感心した記憶があります。ただ、その後、一連のチャイコフスキーの交響曲を聴いた時は、曲によってはちょっと疑問を感じるようなところもありました。
今回の「幻想」の演奏も、そんな語り口のうまさが裏目に出てしまっていて、なんとも居心地の悪いもののように感じられます。特に、第1楽章の前半「夢」の部分が、あまりにも作為的過ぎるんですね。気持ちはわかるけど、そこまでやることはないだろう、という感じ、おそらくオーケストラもちょっと嫌気がさしていたのではないか、と思えるほど、全員の気持ちが一つにはなっていないようなアンサンブル上の齟齬を感じる場所が多々ありました。実は、このあたりの演奏について、ブックレットの中のインタビューでガッティはその意図を「詳細に」語ってしまっているのですね。いわば「確信犯」なのですが、結果がこんなものでは興ざめです。
同じインタビューで、第3楽章の冒頭のコールアングレとバンダのオーボエの掛け合いの部分を、ビブラートをかけて演奏していたプレーヤーに指示をしてもっと「ナチュラル」なノン・ビブラートにしてもらった、というようなくだりも、わざわざ他人に話すようなことではないように思えるのですが。というか、最近のオーケストラでは、どこでも同じようなことをやっているのではないでしょうか。

SACD Artwork © Koninklijk Concertgebouworkest
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by jurassic_oyaji | 2016-10-08 21:35 | オーケストラ | Comments(0)