おやぢの部屋2
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MOZART/Le Nozze di Figara
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Luca Pisaroni(Figaro), Christiane Karg(Susanna)
Sonya Yoncheva(Contessa), Thomas Hampton(Conte)
Angela Brower(Cherubino), Roland VIllazón(Bartolo)
Yannikc Nézet-Séguin/
Chamber Orchestra of Europe
DG/00289 479 5945




DGのモーツァルト・オペラのセミ・ツィクルス、順調に回を重ねて4作目となりました。全7作の予定ですから、ちょうど折り返し点ということで、これから場踏ん張りどころ、何か問題があれば今のうちに修正しておいた方が良いという時期ですね。
このプロジェクトが始まった時の告知では、指揮者がネゼ=セガンだということ以外は決まっていないような感じでしたが、今回のブックレットを読むと、「ネゼ=セガンとヴィリャゾンのプロジェクトだ」と書いてありました。これには驚いてしまいましたね。確かに、これまではキャストはほとんど重なることはなかったのに、なぜかヴィリャゾンだけが全ての演目で歌っていたので変だとは思っていたのですが、そういうことだったとは。
幸いなことに、今回の「フィガロ」ではテノールはあまり活躍しません。一応第4幕にアリアがあるのですが、実際のステージではその前のマルチェリーナのアリアとセットでカットされることが多くなっています。さる指揮者のご意見では、この2曲は「ほんとうにつまらない」からなのだそうです。とは言っても、やはり最近の原典主義の流れの中では、きちんと全曲演奏されるようになっていますから、このCDでもヴィリャゾンは歌っていますが、そんなものは慣例に従ってスキップしてしまいましょうね。
ただ、それ以外のアンサンブルでは何か所かの出番がありますから、そこではもう彼の異質なキャラの歌がはっきり聴こえてしまいます。困ったものです。ヴェルディやプッチーニだったら少しは我慢できるのかもしれませんが、モーツァルトでこういうことをやられると、どうしようもありません。
ですから、このシリーズの残りの3つの作品では彼がイドメネオとタミーノとティトゥスを歌うことなのでしょうが、それはいくらなんでもちょっとヤバいのでは。今ならまだ間に合います。どうか、そんな無茶なことはやめてください。というか、せっかくだから最後まで付き合ってやろうと思っていましたが、そういうことだったら、もうこれでお別れにしてもいいかな、と思い始めていますから。
メインキャストでは、ハンプソン以外の人はここで初めて声を聴きました。最近は、どんどんフレッシュな人が活躍を始めていますから、付いていくのが大変です。特に、伯爵夫人のソーニャ・ヨンチェヴァはいい感じでしたね。ありがちなちょっと重ためな声ではなく、とても若々しいすがすがしさに惹かれます。スザンナのクリスティアーネ・カルクと、ケルビーノのアンジェラ・ブラウアーも、やはり素直で軽快な歌い方が心地よく感じられます。こんな素晴らしい人がいくらでもいるのに、なぜヴィリャゾンなんかにこだわっているのか、本当に不思議です。
そして、オペラ全体を支えていたのが、いつものように思いっきりピリオド感を前面に押し出したネゼ=セガン指揮のヨーロッパ室内管です。もちろん、やはりいつものようにジョリー・ヴィニクールのフォルテピアノによる通奏低音が奏でる即興的なパッセージが、ここそこに新鮮な味を演出していました。
それと、合唱が素晴らしかったですね。これは、コンサート形式のメリットでもあるのでしょうが、芝居をしたりせずにオーケストラの後ろにきちんと並んで歌っていますから、本来の力が更にしっかり発揮できています。
そんな中で、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターがマルチェリーナというのも、やはり時代の流れなのでしょうか。写真で見ると、まるで魔女のようになってしまった彼女にとっては、もはや第4幕のアリアは荷が重いものになっていたのでしょう。
いつものことですが、これはコンサートのライブなので、お客さんの笑い声などはしっかり入っているのに、最後の拍手だけはきれいにカットされています。それがとても唐突に思えます。

CD Artwork © Deutsche Grammophon GmbH
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by jurassic_oyaji | 2016-10-13 22:02 | オーケストラ | Comments(0)