おやぢの部屋2
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日生劇場で観たこともあります
 「ウェスト・サイド・ストーリー」を見てきました。映画ではなく、オリジナルのミュージカル、劇団四季が地方公演で全国を回っていて、宮城県では仙台と名取が会場になっています。仙台の会場はイズミティ、ミュージカルには広すぎるホールですが、かなり前の席を買っていたので、とても見やすくて、ストレートにドラマに入っていくことが出来ました。でもこのチラシ、「ウェスト物 サイド語」って読めませんか?
 映画の方はもうすっかり音楽も、そしてセリフ(英語)も頭に入っていますし、ミュージカルもこの劇団四季のものはもう何回も見ているので、それぞれのバージョンの違いなどもはっきり分かるようになっています。ただ、前に劇団四季を見た時には、緞帳が下りている間に序曲が演奏されていたのですが、今回はそれがなく、いきなり緞帳が上がってプロローグが始まりました。この序曲、その劇場の備え付けの緞帳にプロジェクターで映画のオープニングと同じ画像を映していたのですが、県民会館でそれをやると、マンハッタンのバックに「蔵王」や「松島」が浮かび上がるという、シュールなことになっていましたね。それに気づいたのかどうか、今回はそれがなくなっていました。いや、そもそもあの「序曲」は映画のために作られたもので、ミュージカルのスコアにはそんなものはありませんからね。
 なんたって作曲がバーンスタインで、そんなスコアも簡単に手に入るぐらいですから、クラシックとして結構全曲版のCDが出ているのですが、それらでは全て当然のことながらこのミュージカル版が演奏されています。映画版とミュージカル版の違いは結構大きくて、最初にこのステージを見た時にはちょっと戸惑ったものですが、今ではすっかり慣れて、今回見た時にも、やはりこちらの方がとても納得のいくプロットだということがよく分かります。やはり、映画ではナンバーの場所まで変わっていますから、なんか進行上不自然なところが出てきているんですよね。
 さらに、映画版では大幅なカットがあります。それは、第2幕ですぐ始まる「I Feel Pretty」(映画では第1幕になってます)の次の、トニーとマリアのダイアローグの後に、楽譜には「バレエ・シークエンス」から「少女」が歌う「サムホェア」を経て「ナイトメア」に至るまでの部分です。ここは、トニーとマリアの夢の世界が描かれていて、ステージではことさら現実離れした演出が見られて、この物語のテーマがくっきりと浮かび上がるとても感動的な部分です。ステージでは全員が衣装を真っ白なものに替えて踊るという、まさに非現実の世界なのですが、おそらくそれが映画とは馴染まないとカットされてしまったのでしょう。今にして思えば、こんなことをしなければ映画としての価値もワンランク上がっていたのではないでしょうかね。やはり、エンターテインメントとしての「映画」という位置づけは必要だったのでしょう。
 今回のステージを見てそのあたりの配慮がはっきり分かるのが、アニタがマリアの代わりにドックの店に行くシーン。ここで彼女はジェット団に乱暴を受けるのですが、映画ではそのあたりがきれいに処理がされていて、そのあとのアニタの怒りがいまいち理解できませんでした。それが、ステージでははっきりレイプしていることが分かる演出になっているのですよ。これだったら、あれほどひどいウソをつかなければならないほど、憎悪を募らせるのも納得です。
 今回のメンバーの中には、外国の人も入っていました。いや、今までも「外国人」はたくさんいたのですが、それらはみな東洋系の人たちばかり、外観は日本人と変わらない人だったのですが、その人はポーランドの方、もろ西洋人の顔立ちです。そういう人がオリジナルの英語ではなく、ちょっとへんてこな日本語に直されたものを歌っている、というのもなんだか不思議なことですね。彼はセリフもしゃべりますが、それはもちろん日本語です。ということは、日本人のキャストが西洋人の振りをして、日本語を話す、というこの現場で彼は、「西洋人のキャストが、日本人の振りをして、西洋人の振りをして日本語を話す」という複雑なことをやっていたことになりますね。でも、彼のダンスは素敵でした。
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by jurassic_oyaji | 2016-11-04 22:29 | 禁断 | Comments(0)