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PENTATONIX/Vol.IV Classics
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Pentatonix
Dolly Parton
RCA/88985423412


最近ではテレビCMにも出演して、「お茶の間デビュー」を果たしたペンタトニックスの最新アルバムです。タイトルが「第4巻」というのは、4番目のEPということですね。それぞれ6,7曲しか入っていないアルバムなので、かつての7インチ径、45回転のレコードの名前を転用してそのように呼ばれています。でも、この言い方は「EP=シングル盤」という認識が刷り込まれている人にとっては馴染めないでしょうね。
それはともかく、きちんと10曲以上が収録された彼らの2015年の「フル・レングス」のアルバムの冒頭を飾っている「NA NA NA」というオリジナル曲までが、日本ではビールのCMの中で使われていますね。ですから、このEPの国内盤には、この曲がボーナス・トラックとして収録されています。もちろん、アルバムを持っている人にはこんなものは要りませんから、輸入盤で十分です。
このEPは、全曲カバーということで「クラシックス」と、今まで彼らのCDにはクリスマス・アルバム以外には付いていなかったサブタイトルが付けられています。もちろん、これは「クラシック音楽」とは全く別の意味の言葉で、「ポップス界の名曲」といったぐらいの意味です。まあ、「クラシック音楽」は全てカバー曲なので、完全に「別」とは言えないのかもしれませんが。
ここでカバーされている名曲は、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」、ジョン・レノンの「イマジン」、アンドリュー・シスターズの「ブギ・ウギ・ビューグル・ボーイ」、ジュディ・ガーランドの「オーバー・ザ・レインボウ」、A-haの「テイク・オン・ミー」、エルヴィス・プレスリーの「好きにならずにいられない」の6曲と、輸入盤ではボーナス・トラックになっているドリー・パートンの「ジョリーン」の、計7曲です。「好きにならずにいられない(Can’t Falling in Love)」はそれ自体がカバーですね。
彼らは、もちろん今までも数多くのカバーを手掛けてきましたが(Perfumeまで!)、多くの場合、オリジナルを大切にしたアレンジを施す、という姿勢がとられているのではないでしょうか。彼らを一躍有名にした「ダフト・パンク」にしても、それぞれの曲はかなりオリジナルに近いもの、それをいかにア・カペラで再現するかというところが聴きどころだったはずです。
ですから、最初の「ボヘミアン・ラプソディ」では、オリジナルの複雑な構成とサウンドがそのまま5人だけのアンサンブルで再現されていることに驚かされてしまいます。そこでは、フレディがピアノの弾き語りで左腕を交差させて高音フレーズを弾いている映像までが眼前に広がってくるようでした。
「イマジン」では、オリジナルは正直あまり良い曲だとは思っていませんでした。構成があまりにシンプルすぎて嘘くさいんですね。忙しい人が強いて聴くほどのものではない、と(「暇人」だったらいいのかも)。ところが、今回のバージョンでは、そんなシンプルさを逆手にとってとても細かいところで心に突き刺さってくるような憎いアレンジになっています。何より、コーラスで歌い上げられた時のメッセージの強さと言ったらジョンの貧弱なボーカルの比ではありません。まさにオリジナルを超えたカバー、聴きながら涙がこらえられないほどのすばらしさです。
最後の曲は、オリヴイア・ニュートン・ジョンのカバーも有名ですが、作ったのはドリー・パートン、ここではなんと彼女自身がフィーチャーされているというサプライズ付きです。ご存知でしょうが、このトラックは2016年9月にYouTubeにアップされたもので、今年のグラミー賞を受賞しています。カテゴリーは「最優秀カントリー・デュオ/グループ・パフォーマンス」ですね。これで、ペンタトニックスは3年連続グラミーを受賞なのだとか、「カントリー」まで制覇して彼らはますます凄さを増しています。
ただ、1日1回は目にする「パズドラ」のCMからは、おそらく、この凄さは伝わってくることはないでしょう。あれはオリジナルがひどすぎます。

CD Artwork © RCA Records

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by jurassic_oyaji | 2017-05-25 20:19 | 合唱 | Comments(0)