おやぢの部屋2
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まだステレオ放送は始まっていません
 だんだん調子が上がってきて、ギャグもなかなか決まるようになってきた朝ドラですが、このところの展開は同じ脚本家の「ちゅらさん」そっくりになってきたのがちょっと気になりますね。いや、別に設定が同じでも全くちがう話がこれから始まるのでしょうから、そんなのはどうでもいいことです。要は、見て笑えて泣けれさえすれば、上質の朝ドラと認めてもらえるのですからね。
 時代的にも、この頃だと全く同じころに幼少期を過ごしたという世代がたくさんいることでしょうから、考証なども念がいっているようです。その時どきの実際の映像なども流すなど、同時代感をしっかりにじませているのではないでしょうか。ただ、細かいところではそんな考証が行き届かないところも出てきますから、そんなところもたかがドラマ、と言いながら許してあげるようにしましょうね。もしかしたら、作っている人はわざと間違った情報を織り込んで、見ている人を試しているのかもしれませんからね。
 ですから、こちらもきちんとそれに応えてあげなければいけません。今日のオンエアでは、かなり「気になる」部分がありましたからね。
 まずは、「事務員ではありません。オフィスレディです」というセリフ。これはちょっとギリギリ、という気はするのですが、この頃はまだ「ビジネスガール(BG)」と言っていたのではないでしょうか。もう少ししてから「BGというのはもっといやしい職業を指し示す言葉だから、オフィスレディ(OL)と言いなさい」というお触れが出ることになるのだ、というのが私の記憶です。
 もう一つ、「アプレ」という言葉も出てきましたね。確か、フランス語で戦後(アプレ・ゲール)をあらわす言葉を略したもののように記憶していますが、これなんかは私の親の世代の流行語だったような気がしてならないんですけどね。
 まあ、このあたりは、文献によっても様々ですから、確実に間違いだ、と決めつけるわけにはいきません。地域格差、というのもありますしね。
 でも、退職金代わりにもらったトランジスタラジオがアップになったとあっては、そんなことも言ってはいられません。
 なかなか精巧に作られた小道具ですが、「とと姉ちゃん」のように当時の現物を探し出してくればいいものを、なまじ丸ごとそれらしいモデルを作ろうとして、完全に墓穴を掘ってしまったようです。ちょっと見ただけでも分かる間違いが、3か所は見つかりました。
 まずは、この機械の名前。
 右下の部分をアップすると、こんな文字がありました。「FM/AM 2BAND RECEIVER」ですね。確かに、この頃はFM放送は実験段階でしたが始まっていましたから、FMとAMの2つのバンドがあるのは構いません。ただ、「レシーバー」というのは、当時はFM/AMチューナーが組み込まれていたアンプという、オーディオ機器の呼び名として定着していて、このような携帯用の機器には使われることはありませんでした。これは単なる「トランジスタラジオ」以外に呼びようのないものなのですよ。
 そして、この部分です。
 ダイヤルを合わせる目盛りが上下2段になっていますから、それぞれFMとAMとに対応しているのでしょうが、下段が「MW」となってますよ。その横には「Medium Wave」とありますから、それは「中波」の略であることが分かります。上段がFM、つまり「Frequency Modulation」なのですから、それに合わせればここはAM(Amplitude Modulation)でなければいけません。これは、それぞれ「周波数変調」と「振幅変調」のことですから、同じカテゴリーになるのですが、「Medium Wave」というのは波長のカテゴリーですから「Short Wave(SW)」つまり「短波」とセットで使わなければいけません。現物の「トランジスタラジオ」ではこんな感じですね。FMがまだ放送されていないころのラジオでは、このようにAMの「中波」と「短波」しか聴けなかったのです。
 そして、確実に間違いだと自信を持って言えるのが、「MHz、kHz」という周波数の単位です。下の「現物」では「KC」とか「MC」になっていますね。これは、当時は周波数には「C(サイクル)」という単位が使われていたためです。「C」(正確には「c/sec」)から「Hz」に変わるのは1972年のことなのですね。ですから、このドラマの時代にこんなラジオは絶対に存在していないのです。
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by jurassic_oyaji | 2017-06-13 00:08 | 禁断 | Comments(0)