おやぢの部屋2
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RAVEL/Daphnis & Chloé
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François-Xavier Roth/
Ensemble Aedes
Les Siècles
HARMONIA MUNDI/HMM 905280


ロトとレ・シエクルのアルバムのレーベルが、これまでのActes SudからHarmonia Mundiに変わりました。とは言っても、制作スタッフは以前と同じですし、今までもディストリビューションはHMが行っていたのですから、それほど重要なことではないのでしょう。前回の「レ・ディソナンス」と同様、音源はレーベルではなくアーティストがしっかり管理している、ということなのでしょうね。
ですから、彼らは今までとは何ら変わらない、非常に価値のあるコンサート、そしてそのライブ録音によるアルバムのリリースに邁進することになるのです。最初に耳にした「幻想交響曲」こそ、演奏も録音もいまいちでしたが、その後バレエ・リュスのレパートリーに着手したあたりから、彼らはどんどん進化を始めていますからね。ただ、ジャケットのデザインは確実につまらなくなりましたし、彼らの新しいロゴマーク(右)からも、以前(左)のスタイリッシュな味はなくなっています。
今回のラヴェルの「ダフニスとクロエ」も、ストラヴィンスキーの「春の祭典」が上演される1年前の1912年にバレエ・リュスの公演で初演されています。現在では3部から成る全曲から、部分的に連続して切り取った2種類の「組曲」が用意されていますが、なんと言っても第3部の冒頭を少しカットして最後まで演奏される「第2組曲」がオーケストラの重要なレパートリーとなっていて、頻繁に演奏されます。もうひとつ、やはり全曲からの第1部の最後と第2部の最初の部分を抜き出した「第1組曲」は、古い録音がいくつかあるようですが、現在ではまず演奏されることはありません。コンサートでは「全曲」か「第2組曲」という選択肢しかないようですね。
もちろん、ロトたちは全曲を演奏してくれています。例によって、楽器に対するこだわりはハンパではなく、弦楽器はガット弦、管楽器も極力20世紀初頭にフランスで作られたものが集められています。ちょっと興味深いのが、キーボード・グロッケンシュピールの表記です。ラヴェルの楽譜には「Jeu de Timblesジュ・ド・タンブル」と書いてありますが、このCDの楽器リストでは「Glockenspiel à clavier Mustel」つまり「ミュステル製の鍵盤グロッケンシュピール」となっています。私見ですが、「ジュ・ド・タンブル」といった場合には、普通はトイ・ピアノのような外観の平べったい楽器を指し示すような気がしますが、ミュステルの楽器はそうではなく、チェレスタと同じような縦型なので、そのあたりを正確に記したかったのではないでしょうか。
さらにロトは、楽譜そのものもきっちり検証し、多くの間違いを正しています。さらに、合唱の位置に対する細かい指示(「ステージの後ろで」、「ステージの上で」、「近づいて」といったもの)も、ステージの両翼を使って実現させているのだそうです。ただ、この録音では合唱が「ステージの後ろ」で歌っている部分でも、とてもくっきりと聴こえてきますから、おそらく実際の音響ではなく視覚的な効果によってその位置を表現していたのでしょう。第1部の最後で合唱がア・カペラで歌われる時には、ステージは真っ暗になっていたのだそうです。
おかげで、コンサートホールを埋め尽くした聴衆も、その録音をこのDCで聴いている人たちも、このアンサンブル・エデスという2005年に結成されたばかりの若々しい合唱団の卓越した演奏を存分に味わうことが出来ることでしょう(とてもええですよ)。この曲で、合唱がこれほど重要なパートだということに、初めて気づかされました。
オーケストラでは、管楽器は言うまでもありませんが、弦楽器のなんとも言えないソノリテはやはりこの曲からは初めて味わえるものでした。
フルート・ソロのマリオン・ラリンクールは、いつものルイ・ロットから甘い音を引き出しています。ただ、「パントマイム」の大ソロは、あくまで、アンサンブルの中のフルートという感じで、それほどの存在感はありません。

CD Artwork © harmonia mundi musique s.a.s.

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by jurassic_oyaji | 2017-06-13 23:00 | オーケストラ | Comments(0)