おやぢの部屋2
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STRAUSS/Salome
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Birgit Nilsson(Salome), Eberhard Wächter(Jochanaan)
Gerhard Stolze(Herodes), Grace Hoffman(Herodias)
Waldemar Kmentt(Narraboth)
Georg Solti/
Wiener Philharmoniker
DECCA/483 1498(BD-A)


このところ立て続けに1960年代に録音されたオペラがハイレゾのパッケージとしてリリースされています。嬉しくなってほとんどのものを入手して、あの頃LPで聴いた音の追体験をしているところです。ただ、かつて聴いたものがさらにクリアさを増して聴こえてくるものがあった半面、なんとも雑な音になっていて期待外れのものがあったりと、その音のクオリティはそれぞれに違いがありました。
その違いの最大の要因は、マスターテープの劣化なのでしょう。アナログ録音の宿命で、どうしても経年変化は避けられないもののようですね。ただ、その劣化の度合いは保存のコンディションによって様々ですから、一概に古い録音でははっきり聴いて分かるほどの音質上の変化があるとは言い切れません。デジタル・トランスポートの際に使われていたマスターテープのコンディションがどんなものであったのかは実際に聴いてみるまでは全く分かりませんから、まるで「博打」ですね。こんなものを喜んで食べる人の気がしれません(それは「パクチー」)。結局、今回の一連のBD-AやSACDでは、クナッパーツブッシュの「パルジファル」やカラヤンの「トスカ」などはまさに「ハズレ」でしたが、ベームの「トリスタン」は「大当たり」でしたから。
今回の「サロメ」は1961年に録音されています。ですから、年代的にはかなりの劣化が起きていると考えられますから、それほど期待はしていませんでした。しかし、結果はそれほど悪いものではありませんでした。「トスカ」あたりではバリトンの声で派手に歪んでいたのですが、ここではエバーハルト・ヴェヒターのヨカナーンの声はクリアそのものでしたから、まずは合格です。
ただ、「7つのヴェールの踊り」のあたりではかなり目立つドロップアウトが何箇所もあったので、さすがに剥離は避けられない、と思いましたね。しかし、手元には1985年頃に最初にCD化されたものがあったので聴いてみたら、それとまったくおなじ個所でドロップアウトが聴こえましたから、マスターテープを作る際の編集(手貼り)の時点で、かなりいい加減な仕事が行われていたということになるのでしょうね。
もちろん、可能性としては、この1985年の時点でのデジタル・データを今回使ったということも考えられなくはありません。今回のクレジットからは、24/96でリマスタリングが行われたのが2017年ということしか分からず、その元になったデータがいつトランスファーされたものなのかはどこにも明記されていませんからね。もしそうだとすれば、この頃にはまだハイレゾのレコーダーはなかったはずですから、それは16/44.1または16/48程度のもので、それを今回24/96にアップサンプリングしたのでは、という疑惑は捨てきれません。DECCAほどのレーベルがそんなことを、と思うかもしれませんが、実際に「指環」全曲がBD-Aになった時には、1997年にトランスファーが行われた24/44.1のデジタル・データが使われていましたからね。この業界、疑い出したらきりがありません。
ところで、このBD-Aでは、24/96のリニアPCMと、DOLBY TRUE HDの両方のデータが入っていて、それをトップメニューで選択できるようになっています。


これは、聴いている途中で切り替えられるので、簡単に比較できるのですが、DOLBYでは明らかにワンランク精度が落ちていることがはっきり分かるのです。BDプレーヤーではどんなものでもリニアPCMはきっちり24/192までサポートされているのですから、なぜ、こんな選択肢が設けられているのか、全く分かりません。ついうっかりして、音の悪いDOLBYで聴き続けてしまうことだってあるのですから、これは即刻やめてもらいたいものです。
以前、カラヤンの「指環」もBD-Aになりましたが、これはDOLBYのデータしか入っていませんでしたから、選択肢はありませんでした。
これは、DOLBYにしないと1枚に収まらないからです。2枚組になっても構わないので、ちゃんとリニアPCMで出してほしいと、切に願いたいですね

BD Artwork © Decca Music Group Limited

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by jurassic_oyaji | 2017-08-08 23:29 | オペラ | Comments(0)