おやぢの部屋2
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SHCHEDRIN/Piano Concerto No.5 STRAVINSKY/Firebird Suite


Denis Matsuev(Pf)
Mariss Jansons/
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
SONY/82876703262001
(輸入盤)
ソニーレコード
/SICC-279(国内盤 11月2日発売予定)


SONYの品番の付け方が変わりましたね。まるでパソコンソフトのシリアルナンバーのようなこの脈絡のなさは、このレーベルが「SONY/BMG」という巨大なコングロマリットの一部になってしまったことと関係があるのでしょうか。
昨年12月、「ガスタイク」でのライブ録音、ストラヴィンスキーの「火の鳥」1919年版組曲と、シチェドリンのピアノ協奏曲第5番が収録されています。いずれも、オーケストラのとても美しい響きが存分に楽しめる仕上がり、安心して身を任せられる心地よさがあります。
「火の鳥」は、ヤンソンスにとっては初めての録音になるのでしょう。ここでもいつもながらの彼のクレバーさが光っており、新鮮な味わいをもたらしてくれました。「イントロダクション」冒頭のコントラバスのピチカートからして、妙な曖昧さのない小気味よいもの、続く管楽器のシンコペーションのやりとりも、明晰そのものです。全体的に遅めのテンポをキープして、たっぷりした「歌」を随所で聴かせてくれているのも嬉しいところ、「王女たちのロンド」でのオーボエ・ソロや、「子守歌」でのファゴット・ソロの味わい深さは聞きものです。
1932年生まれのロシアの作曲家、ロディオン・シチェドリンについては、ビゼーの「カルメン組曲」を打楽器と弦楽合奏という形に編曲したユニークな作品によって、ある程度知られているのではないでしょうか。交響曲から映画音楽まで、さまざまなジャンルで120曲以上の作品を世に送っており、現在でも精力的に作曲を行っている人です。ピアノ協奏曲は、2003年に「第6番」を作っていますが、ここで演奏されているのは「第5番」、1999年に作られ、ムストネンのピアノとサロネン指揮のロスアンジェルス・フィルによって初演されました。今まで録音が出た形跡はないので、おそらくこのCDが世界初録音となるのではないでしょうか。
さまざまな作曲技法上の変遷をたどってきたシチェドリンですが、このピアノ協奏曲第5番はかなり古典に回帰したオーソドックスなものです。楽章構成も、急-緩-急という昔からある協奏曲の形、すんなり心に入ってくる親しみやすさがあります。ただ、協奏曲とは言っても、この曲の場合ピアノ独奏の扱いはこれ見よがしの技巧をひけらかして華々しく目立たせる、といったものではなく、あくまでオーケストラと一体となって音楽を紡いでいく、といった趣が強くなっています。
全体を通して強調されているのが、継続されるビート、第1楽章ではまるで心臓の鼓動のような一定のリズムに支配されたシンプルな楽想に、まず惹き付けられるはずです。それを縫うようにして弦楽器によって奏でられるたっぷりとしたハーモニーも、魅力的です。ほんと、バイエルン放送交響楽団の弦楽器の、何と深みのあることでしょう。これなどは、先日ご紹介した日本の若いオーケストラでは絶対に出すことの出来ない味です。第2楽章では、冒頭にちょっとモーダルなピアノのカデンツが入り、弦楽器やオーボエ、トランペットなどが、息の長いフレーズをたっぷり歌い込みます。第3楽章は殆ど「常動曲」といった趣、ここでは、マツーエフのリズム感の良さが光ります。ひたすら16ビートが続く中で、時折三連符なども交えて、圧倒的なドライブ感を見せてくれています。
今の時代にほどよくマッチしたシチェドリンの音楽、もっと頻繁に演奏されても良いのではないでしょうか。モスバーガーのメニューにもなったことですし(それは「タンドリー」)。
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by jurassic_oyaji | 2005-10-04 19:18 | オーケストラ | Comments(1)
Commented by kino-m-ss at 2005-10-19 15:25
トラバ返しありがとうございました。
火の鳥、吹奏楽版ですがやはり難しいです・・・
因みに私たちは通称『焼き鳥』と呼んでいます(笑