DVORAK
Symphony No.8千秋真一/
R☆Sオーケストラ
キングレコード/KICC-555 今回は、ちょっと趣向を変えて「禁断あばんちゅうる」からのコピーです。この間ご紹介した千秋の「間違い探し」、そろそろネットでもいろいろ出てきているようですね。あいにく、まだ「全問正解」は見つけていませんが(多分、どこかにはあるのでしょう)一応
これだけ関わってきたものとしては、私なりの「正解」を出しておく必要があるでしょう。前回も書いたように、あくまでも第10巻に載っている「解答」を元にしたものです。
1.「セカンドフルート!ピッコロのパートを吹いている!!」
22小節目(49')
(正)
↓
(誤)
記譜ではピッコロのオクターブ上のD(1番の最後の音と同じ)の音を、2番フルートが吹いています。したがって、31小節目にあるオクターブの上昇はありません(その音はフルートでは無理)。
2.「フルートの旋律ををオーボエが吹いている!」
77小節目アウフタクト(2'36")
フルートとクラリネットのユニゾンが、オーボエとクラリネットのユニゾンになっています。
3.「95小節目からセカンド・ヴァイオリンがヴィオラに!」
95小節目(3'09")
セカンド・ヴァイオリンの十六分音符のフレーズを、ヴィオラが弾いています。
4.「フルート!クラリネット、ホルン1!付点二分音符ロ音が四分音符に・・・・七の和音から三和音に変わっている!」
104小節目(3'26")
(正)
↓(誤)
この3つのパートが、譜例のようにH→AisからH→Cis→Aisになっています(クラリネット、ホルンは実音)。2拍目でCisの七音であるHがなくなったため、「七の和音が三和音に」なったのですね。
5.「そこはティンパニーはなし!」
109小節目(3'34")
休みのはずのティンパニが、低弦と同じ音を出しています。
6.「クラリネット!オーボエと同じ高さになってる!」
159小節目(5'21")
休みのはずのクラリネットが、オーボエと同じ音を吹いています。
7.「コントラバス!arcoがピッツィカートに。同時にヴィオラパートの分割部分がセカンド・ヴァイオリンに!!」
174小節目(5'46")
ヴィオラのパートをセカンド・ヴァイオリンが弾いています。同じ場所、arcoのはずの(何の指示もない)コントラバスが、ピッチカートで演奏しています。
8.「オーボエ、セカンド・ヴィオラのヘ音がホ音になっている!!」
212小節目(6'55")
ここだけはちょっと自信がありません。そもそも、前回も書いたようにオーボエと「セカンド・ヴィオラ」が同時にへ音(Fナチュラル)を出すところなどないのですから。しかし、よく考えると、これは「セカンド・ヴァイオリンとヴィオラ」という意味にも取れます。それでしたら、確かにこの部分1箇所がそうなっています。しかし、ここは何度聴いてみてもホ音(E)、つまり前の小節と同じ音ではなく、きちんと半音上がってFになっているのですよ。ですから、正解は別にあるのか、10巻の「解答」が間違っているのか、どちらかなのでしょうが、私には分かりません。
私自身、この曲で1番フルートを吹いたことがあるにもかかわらず、フルートがらみの1.2.ですら聴いただけでは分かりませんでした。3.7.も、言われて聴き比べれば明らかに音色が違っているのが分かりますが、それだけ聴かされてもまず分からないでしょう(もっとも、コンクールでオーケストラを「見て」いれば、分かるでしょうが)。4.6.も、第10巻に「間違った」スコアが載っていたので分かっただけのこと、8.もこの通り、結局、音だけで分かったのは5.だけでした。これらを一瞬で聞き分ける耳を持っているのですから、指揮者というのは大変なものです。