おやぢの部屋2
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デッカは、国内盤でもカッティングはイギリスでした
 我が家のサラウンド・システムは、どうやら生活の中にしっかり入ってきたような感触があります。なんせ、私が使っている部屋は、ドアが邪魔になってリア・スピーカーを理想的な場所には設置できないというネックがあったものですから、なんとかそこをクリアしようといろいろ試みましたよ。その結果、ほぼ理想的なポイントが見つかったので、あとは使い込んで微調整を行えば完成、という段階に入りましたからね。
 前から予想はしていましたが、これが最も効果的に使えるのは映画でした。もちろん、オーケストラやオペラでも、しっかり音場がスピーカーの前に広がってそれなりの「立体感」は感じられるのですが、それはあくまでコンサートホールやオペラハウスの空間を疑似的に再現したもので、特にサラウンドにしなくてもクオリティ的にはそれほどアップしたという気にはならないのですね。それが映画になると、そこからは今までは感じられなかった製作者の意図までがはっきりと感じられるようになってきます。彼らは一つの表現手段として、このサラウンドというテクノロジーを使いこなしていることがよく分かるのですね。それは、ひいては映画における音楽の役割すらも変えてしまうほどのものなのではないかとすら思えてきます。つまり、サラウンドの中での音楽自体は、それほどキャッチーである必要はなく、ただ音場を巧みに操作することによって、観客に直接感覚的に訴えかける術を、製作者たちは手に入れてしまったのではないか、という気がするのです。
 もちろん、それはハリウッドの大規模な作品に一番当てはまります。さらに、それだけではない多様性も、製作者のセンスによって自由に使いこなすこともできるのではないか、というのも、ある日本の作品を見て感じました。それは、音楽にはそれほどサラウンドは使わずに、もっぱら風の音とか川の流れのような自然音をサラウンドとして、かなり控えめに使っていました。ちょっと物足りないな、と思っていると、家の近くに雷が起きるというシーンで突然フルにサラウンドを活用して、見事な雷鳴を再現してくれました。音響スタッフは、まさにこの雷鳴に命をかけていたのではないか、と思いましたね。
 そんなさまざまな思いが、ほとんどBSや地デジを録画したものから体験できてしまうというのも、うれしいですね。今まで普通に録画していたものは、ほとんどがそんな最高のサラウンドのソースとして味わえるのですからね。
 そんな最新のテクノロジーとは正反対の、半世紀前に作られたLPレコードからも、新鮮な感動が味わえることもありました。たまたま駅前のお店で中古レコードを販売していたので、覗いてみたら、こんなのが目についたので買ってきました。
 いずれもイギリス・デッカのLP。左のカラヤンは1965年、右のストコフスキーは1964年の録音、いずれもカッティングはイギリス、プレスは左はイギリス、右は日本です。発売されたのはどちらも1965年です。左は輸入盤に日本のキングが解説書と、オマケの「生写真」を付けて販売したものですね。
 もうジャケットはかなり傷んでいましたし、解説書にはこんな書き込みまでありました。
 おじさんからのプレゼントだったのでしょうか。
 これは、メモ用紙代わりだったとか。
 まずは、カラヤンの方。これはLPは聴いたことはなくて、CDとブルーレイ・オーディオでしか聴いてません。ブルーレイではかなりいい音だったのですが、この新しい(というか、古い)LPはそれ以上の音でした。盤面に少し擦れキズがあったのでちょっと心配だったのですが、スクラッチ・ノイズは皆無、そこからはまさに録音されたばかりの新鮮な音が聴こえてきましたよ。ブルーレイでは、弦楽器の音だ明らかに経年劣化していることが分かってしまいます。
 ストコフスキーの方は、これと同じLPを持っていました。もう手放してしまいましたが、ごく最近復刻盤が出たので、それも買ってました。
 でも、このLPは、マスターテープの転写がものすごいことになっていました。同じ時期に出たCDではそれは全くなかったので、それはカッティングの際の転写(プリエコー)なのかな、と思っていたので、劣化していないテープからカッティングしたLPを、改めて聴いてみたかったのですよ。
 さっきのおじさんのプレゼントを聴いてみたら、プリエコーは全く聴こえなかったばかりか、やはり弦楽器の音が別物でした。最新のLPは「180g重量LP」とか言ってましたが、元のテープが悪ければどうしようもありません。それは、新しいCDでも違いがはっきり分かるのですが、10年ぐらい前に作られたCDでは、かなりLPに近い音が聴けましたから、その間にかなり劣化が進んだのでしょうね。半世紀前のテクノロジーをなめてはいけません。
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by jurassic_oyaji | 2017-12-06 21:14 | 禁断 | Comments(0)