おやぢの部屋2
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The Concert for Bangladesh








George Harrison and friends
ワーナーミュージック・ジャパン/WPBR-90532/3(DVD)


1971年に、すでに解散していた「ザ・ビートルズ」のメンバーだったジョージ・ハリスンが、親しい仲間のミュージシャン(その中には、かつてのバンドのメンバー、リンゴ・スターも含まれていました)を集めて開催した、慈善コンサートの模様が収録された映画が、初めてDVDとなって発売されました。そもそもは、シタール奏者のラヴィ・シャンカール(ノラ・ジョーンズが彼の娘だって、知ってました?)が、彼の故郷のベンガル地方で起こっていた当時の東パキスタンの独立に伴う内乱に心を痛め、多くの難民の窮状を訴え、救済の手をさしのべたいとジョージに相談したーるのが発端だといいます。その結果、このコンサートは、後に続く数々の「救済」コンサートの、草分け的な存在として歴史に残ることになったのです。
コンサート自体は大成功を収めますが、二次的な収益を狙って、程なく、ライブレコードがリリースされ、その音源をサウンドトラックとした記録映画も上映されることになりました。このあたりも、後の「ベネフィット」の定石となるわけです。ただ、出演者の中にボブ・ディランという「大物」がいたために、この豪華写真集付き、LP3枚組ボックスセットというレコードは、「APPLE」レーベルにもかかわらず、EMIではなく、ディランが属していたCBSが販売権を獲得した、といったようなゴタゴタも聞こえてきましたね。
いずれにしても、そのレコードを飾った非常にメッセージ性の高いジャケットが、今回のこの「デラックス版」に採用されています。実は、「通常版」というのも同時に発売されているのですが、そちらのジャケットはジョージの写真が使われているだけのものですから、当時の「事件」としての追体験を期待している私としては、迷わずこちらの方を購入したというわけです。
この映画は、「音を犠牲にしたくない」というジョージのたっての願いで、サウンドトラックが潤沢に使える「70ミリ」のフィルムに、元々の「16ミリ」をふくらませてプリントした、といいます。ただ、それが公開されたのは大都市だけでしたから、それを劇場で味わうということは、当時の私には不可能なことでした。ごく最近テレビで放送されたものを見ることが出来ましたが、それは何だか暗がりでモゾモゾうごめいているような不明瞭な画面で、レコードに付いてきた写真集から窺えるミュージシャンの生き生きとした姿などどこにも見当たらなかったのには、失望を通り越して、怒りさえ覚えたものです。
しかし、このDVDは、その、放送されたものとはまるで別物の、とても鮮やかな画面でした。もちろん、音もリミックスがされているのでしょう、その時のものとは比較にならないほどグレードアップしているのが分かります。ここでみずみずしく蘇る若き日のクラプトンやディランの姿には、すでに「記録」としての重みすら感じられます。ビートルズのジャケットも手がけていたベーシストのクラウス・ヴォーマンや、「アップル・バンド」として紹介されている「バッド・フィンガー」の映像も非常に貴重なものでしょうし、メンバー紹介でジョージが「ビリー・プレストンを忘れていました!」と慌てていた、その5人目の「ビートル」の、ハモンドから立ち上がってステージ中を踊りまくるパフォーマンスなども、音だけでは伝わらない感動的なものです。
もう1枚のボーナス・ディスクには、2005年に制作された、このコンサートのドキュメンタリー・フィルムの他に、貴重なメイキング映像などが収められています。ここで初めて明らかになる関係者の証言には、「そうだったのか!」と驚くことばかり、私は、フィル・スペクターがメンバーを選ぶ段階ですでに彼の「ウォール・オブ・サウンド」を実現すべく編成を吟味していたことを興味深く知りました。クラプトンの出演までの葛藤なども、「今だから言える」ものです。
ライブ映像から30年以上経って、インタビューされている出演者たちはすっかり外見が変わってしまっていました。中でも、 見事な白髪になったレオン・ラッセルの変わりようといったら。そして、もっとも悲しいのは、このコンサートの主人公、ジョージは、もはやインタビューを受けることは出来ないということです。
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by jurassic_oyaji | 2005-11-06 19:34 | ポップス | Comments(0)