おやぢの部屋2
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The Christmas Album


Vaughan Meakins/
Chamber Choir of the Arts Educational School,Tring Park
The Ambrosian Singers
The Royal Philharmonic Orchestra
MEMBRAN/222901-203(hybrid SACD)



いつものことですが、「クリスマス」というキリスト教の宗教行事に対するこの国の人々の関心の強さには、つくづく感心させられてしまいます。なんと言っても、11月に入るやいなや始まる「クリスマス商戦」の盛り上がりにはものすごいものがありますからね。昨年ファッションビルの前に出現した、青色LEDで彩られた巨大なクリスマス・ツリーは、今年も暖色系のオーナメントを交えて早々と姿を現し、手ぐすねを引いて客を呼び込むのに躍起になっています。
ですから、そのビルの8階にあるCDショップで、まさにそのものズバリのタイトルを持つこんなアルバムが陳列されていても、とがめる人は誰もいないはずです。それどころか、サラウンドのマルチトラックまでしっかり収められているSACDが税込み790円なのですから、お手軽なクリスマス・プレゼントとして、これほど価値のあるものはありません。
なんでこんなに安いのかと、レーベルを見てみたら、これはあの超低価格のモーツァルトの交響曲全集を出したところと同じではありませんか。1995年に録音された、ロイヤル・フィルのバジェット音源を、新たにサラウンド仕様にしたもの、それで納得です。
そんなアルバムですから、ほんの軽い気持ちで聴き始めたのですが、最初に聞こえてきたのがジョン・ラッターの「Shepherd's Pipe Carol」だったのには驚いてしまいました。私が大好きな「Polyphony」がHYPERIONに録音したラッターのクリスマス曲集の、やはり最初に入っている、シンコペーションが印象的な軽快なキャロルに、こんなところで出会えるとは。つまり、そんなバジェットですから、ジャケットには曲名以上のデータはなく、聴いてみて初めて分かったということなのです。嬉しいことに、ラッターの曲はこれだけではなく、他にも「Nativity Carol」、「Candlelight Carol」、「Donkey Carol」、「Away in a Manger」と、都合5曲も入っていましたよ。歌っているのが、「芸術教育学校」というのでしょうか、イギリスの教育制度はよく分かりませんが、多分高校生ぐらいの女声合唱です。これが、なかなかのもの。児童による聖歌隊ほどの禁欲的なものではなく、かといって大人のくどさもないというほどよいテイストが、ラッターのキャッチーなメロディーに見事に合致しているのです。これは、「Polyphony」のある意味完璧な演奏とは全く別の次元の魅力を持つ、素晴らしい演奏でした。

    CDA 67245

もう一つの嬉しさは、2曲目の「Walking in the Air」。ご存じ、レイモンド・ブリッグスの絵本「スノーマン」を、そのままの筆致で再現した感動的なアニメの主題歌です。少年を背中に乗せた雪だるまが海の上を飛んでいる時に流れる、このハワード・ブレイクが作った曲(思い出すだけで、ウルウルしてきません?)、オリジナルはボーイ・ソプラノでしたが、今回の女声バージョンも、とても素敵です。その他に、ここで指揮をしているヴォーアン・ミーキンスが作った「Stable Carol」という、ウィンナ・ワルツ風の曲も、楽しみがいっぱい詰まった名曲ですよ。
これだけで、もう充分なほどの満足感が得られるのですが、後半には、アンブロジアン・シンガーズの男声も加わった、本当によく知られたクリスマス・ソングのオンパレードが待っていました。これさえあれば、あなたが大切な人と過ごすイヴの夜が極上の雰囲気に包まれるのは、間違いありませんよ。
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by jurassic_oyaji | 2005-11-09 20:05 | 合唱 | Comments(0)