おやぢの部屋2
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FAURÉ/DURUFLÉ/Requiems

Miah Persson(Sop), Malena Ernman(MS)
Olle Persson(Bar)
Mattias Wager(Org)
Fredrik Malmberg/
Swedish Radio Choir
BIS/SACD-1206(hybrid SACD)



フォーレとデュリュフレのレクイエムをカップリングしたCDは数多く出ていますが、普通はオーケストラ版、これは両方ともオルガン版という、珍しい(というか、フォーレのオルガン版は殆どこれしかないはず)組み合わせです。演奏しているのはスウェーデン放送合唱団、あのエリック・エリクソンに育てられ、最近ではトヌ・カリユステが首席指揮者を務めていたという、名門中の名門合唱団です。例えばムーティ、アバドやブロムシュテットといった指揮者が、合唱付きのオーケストラ曲を演奏する際にこの合唱団をわざわざ指名して起用するということからも、その実力はうかがい知ることが出来ることでしょう。
デュリュフレのオルガン版は数多くの名盤が存在していますが、このCDはその中にあってもひときわ「大人の」音楽を聴かせてくれています。各パートの音にはいささかの曖昧なところもなく、完璧に一つの「声」として伝わってきます。もちろん、それは非常に立派なこと、サウンドとしての完璧さから言ったら、これ以上は望めないでしょう。さらに、30人足らずという少ない編成とはとても思えないような広いダイナミックレンジには驚かされます。この曲、もちろん最初の形はフルオーケストラのためのものなのですが、例えばティンパニなどが入って大々的に盛り上がる、といったような場面が数多く用意されていて、フォルテシモの迫力はかなりのものがあります。それにかなり近い雰囲気を、この合唱団はオルガンだけの伴奏で充分に伝えることに成功しているのですから、すごいものです。
個人的な好みでは、もう少し曖昧なところがあった方がこの曲を聴く時にはより幸せになれるな、という感じはありますが、もちろん、それはかなり高次元な要求になってしまいます。この演奏からは、「Pie Jesu」さえも曖昧さを許さない立派な声と胸の谷間の持ち主のエルンマンにソロを託したということからも、その主張は明らかなのですから。

  Malena Ernman
フォーレの場合には、その完璧さはやや鬱陶しく感じられてしまうかもしれません。もちろん、「Kyrie」でもテナーのパートソロのようにこれ以上は望めない立派なものもある反面、「In paradisum」あたりのソプラノパートは、あまりに立派すぎて別なメッセージが伝わってしまうという危惧を感じないわけにはいきません。それ以上に問題なのが、この曲をオルガンだけで演奏するという姿勢です。それは、冒頭のDの音のディミヌエンドで露呈されてしまいます。オルガンという楽器では、本当の意味でのディミヌエンドは不可能、それらしく聴かせるために、ここでオルガンのための編曲を行い、自らが演奏しているワーガーは、次第にストップを減らすという方法をとっています。その、いかにも段階的な音の減衰は、興ざめ以外の何者でもありません。「In paradisum」など、最初からオルガンがフィーチャーされているところはそれなりに味わえるのですが、大半の部分では、フォーレがわざわざ用いた特異なオーケストレーションの妙が、残念ながら全く消え失せてしまっています。「Agnus Dei」でのヴィオラの響き(もちろん、ヴァイオリンが入っていない「第2稿」)がどれほどに魅力的だったのかと、こののっぺらぼうなオルガンの音を聴いて再確認したほどです。
近々、さる地方都市では、この曲をオルガンと弦楽器という編成で演奏すると聞いておるがん。以前NAXOSから出ていたデニス・アーノルドと同じアプローチ、ちょっとそそられます。
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by jurassic_oyaji | 2005-12-21 20:55 | 合唱 | Comments(2)
Commented by mottenin at 2005-12-24 18:48
当盤は残念ながら我が家にはまだ届きません。いつもながら早いですね。
メモリー・プレイヤーにDLした彼のレクィエムは現在3種類。その中にはNAXOS盤も入っています。
第2稿を最も好みますが、編成が特殊過ぎるせいでしょうか、なかなか難しいようですね。
演奏会の件、どうぞそそられてください。
Commented by jurassic_oyaji at 2005-12-24 19:30
こういうのが早く聴けるのが「役得」ということでして。
演奏会の本番は別の練習が入っているので、前日の公開GPに行くつもりです。楽しみにしています。
TenのI村くんによろしく。