おやぢの部屋2
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Vienna State Opera Gala





Baltsa, Gruberova, Kirchschlager,
Domingo, Hampson, Terfel, Botha and more
Ozawa, Mehta, Thielemann, Gatti, Welser-Möst/
Chorus and Orchestra of the Vienna State Opera
EUROARTS/2054928(DVD)



昨年2005年は、戦災にあったウィーン国立歌劇場が再建され、オペラの上演が再開されてから50年が経ったという記念すべき年だったのだそうです。そこで、それを祝ってガラ・コンサートが開かれることになりました。もちろん、会場は満席、「ガラガラ」になることはありませんでした。11月の5日に開催されたそのコンサートの模様が完全収録されたのが、このDVDです。3時間に及ぶその豪華な催しを、存分にお楽しみ下さい。残念なのは、これがNTSCという普通のテレビの規格だということです。もっとも、現在国内で出ているDVDは全てこの方式によるものなのですが、元々のソースの制作はオーストリア放送協会とNHKが共同で行ったもので、しっかりハイビジョンで収録されています。そして、これは先日NHKBSのハイビジョンチャンネルで放送されましたから、それなりの装置を持っている人であれば無料で(もちろん、システムに費やした資金は無視します)見ることが出来るだけでなく、HDに保存しておけば、将来市場に出回るであろう次世代ヴィデオディスクとして残すことも可能なわけです。ですから、それよりもはるかに画質の劣る(あくまでも、それなりの装置を持っている人に限りますが)ディスクをわざわざお金を出して買うことにどれほどの意味があるのか、という点については納得のいかない部分が残りますが。
しかし、この夢のようなステージを眼前にしては、そんな些細なことはどこかへ吹っ飛んでしまうはずです。指揮者だけで、現音楽監督の小澤征爾を始めとしてメータ、ティーレマン、ガッティ、ウェルザー=メストという超豪華メンバーが5人、歌手に至ってはドミンゴ、ターフェル、バルツァ、グルベローヴァ、ハンプソン等々、数えきれないほどの人達が出演しているのですからね。
コンサートの流れとしては、この歌劇場が再開された時に上演された6つの演目の一部を、5人の指揮者にそれぞれ指揮をさせる、というものです。ただ、小澤だけは特別扱い、まずオープニングで「序曲レオノーレ第3番」を演奏したあと、大トリとして「フィデリオ」の大詰めを指揮する、という、まさに「ホスト」の貫禄です。2番手のメータは「ドン・ジョヴァンニ」、ティーレマンだけ2曲で「薔薇の騎士」と「マイスタージンガー」、ガッティは「アイーダ」、ウェルザー=メストは「影のない女」という演目があてがわれています。
演奏はもちろんこの歌劇場のオーケストラ、別の場所では「ウィーン・フィル」と呼ばれている団体です。このようなトップクラスのオーケストラと歌手が一堂に会した場で最も重要になってくるのは指揮者の手腕でしょう。私が最も素晴らしいと思ったのは、映像を見るのはこれが初めてのガッティでした。担当の「アイーダ」で、オーケストラにも、そして歌手にも十分の自由さを与え、それでなおかつ全体を自分の音楽でまとめ上げるという力は凄いものです。自分の主張が空回りしていたティーレマンとは、まさに好対照でした。われらが小澤も、全体のまとまりにまでは気が回らないのがありあり、このつまらないオペラに聴き手の耳をそばだてさせられることは、ついに叶いませんでした。
歌手陣での最大の収穫はヨハン・ボータです。風貌に似合わぬ繊細この上ない歌唱は、まさに絶品でした。オクタヴィアンを歌ったキルヒシュラーガーの、ボーイッシュなのにセクシーというファッションも素敵ですね。
ステージの上には、それこそ1955年の舞台を踏んだ歌手たちが、「来賓」として座っていました。そんな殆ど伝説上の人達、誰も知っているわけはないと思っていたら、一人だけ、上手の出入り口のすぐ前に座って、出演者たちとオーバーアクションで握手を交わしているクリスタ・ルートヴィヒの姿が目に付きました。バーンスタインの指揮で、このオペラハウスでマルシャリンを歌っていたのはついこの間だと思っていたのに、彼女はもう引退していたのですね。
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by jurassic_oyaji | 2006-03-24 19:52 | オペラ | Comments(0)