おやぢの部屋2
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DVORAK/Complete Choruses & Duets




Stanislav Mistr/
Prague Singers
BRILLIANT/92883



ボヘミアのメロディメーカー、ドヴォルジャークの合唱曲を集めたボックスCDが出ました。彼の合唱曲といえば、ラテン語の歌詞による「スターバト・マーテル」や「レクイエム」といった、オーケストラの入った大規模な宗教曲が有名ですが、これはチェコ語による合唱、そして二重唱を全て集めたもの、世界初録音のものもたくさん含まれています。無伴奏、あるいはピアノ伴奏(中には四手のものも)だけという、本当にすぐ合唱団のレパートリーに出来るような可愛らしい曲たち、肩の力を抜いて楽しめるものばかりですよ。
3枚組のボックス、1枚目はデュエット集です。モラヴィア地方の伝承歌をテキストにした殆ど民謡そのものといっても良い素朴な歌、それらの内、まず「4つのデュエット」が、このプラハ・シンガーズという合唱団の団員であるクリツネロヴァーのソプラノと、この合唱団の指揮者であるミストルのテノールで聴くことが出来ます。この2人とも一応ソリストとしてのキャリアもある人達なのですが、いかにも「ソロ」といったオペラティックな歌い方には決してなってはいないので、お互いの声が非常に良く溶け合った響きが心地よく感じられます。続く「モラヴィアのデュエット」という14曲から成る曲集は、ソロではなく2部の女声合唱で歌われています。これも、素朴な発声によるピュアな響きが、チェコ語と見事にマッチして心を打ちます。そう、このボックスを通しての最大の魅力が、この歌い手の共感が込められた言葉から生まれる何とも言えないリズムとイントネーションなのです。
2枚目には、プラハ・シンガーズのフルメンバーによる無伴奏の混声合唱が並びます。有名な「自然の中に」などに混じって、これが世界初録音となる「ロシアの歌」という、これは合唱ではなく混声の重唱が聴けるのが、嬉しいところでしょう。全部で16曲の、ロシアの民謡をチェコ語に直して編曲した、というものです。10曲目の「白樺の木」などは、例の、チャイコフスキーが交響曲第4番のフィナーレに使っていた民謡ですね。
3枚目では、男声合唱と女声合唱が聴けます。2枚目でなかなか澄んだ響きを見せていたこの混声合唱団ですが、これが男声だけになるとちょっと物足りなさが出てきてしまうのでしょうか。内声を歌うには申し分のないこの軽いテナーの声は、男声だけになったときには力強さが不足しているのがありあり、なかなか難しいものですね。ですから、ここでの男声合唱は洗練された、言い換えればちょっと中性っぽい趣になっています。ちなみに「チェコ民謡の花束」という曲の中には、交響曲第8番によく似たテーマが現れます。一方の女声合唱は、これは申し分のない爽やかな響きが楽しめます。なかでも、アルトの力強さが、意外な魅力になっています。
そして、一番最後に入っているのが、「新世界交響曲」の第2楽章、あの「家路」のテーマに歌詞をつけて、混声合唱とソプラノとテノールソロという形で編曲(トゥッケルという人が行っています)したものです。この楽章の真ん中の部分をカットしていますが、最初と最後の金管のコラールも見事に合唱に置き換えるという、しゃれたアレンジ。もちろん、このような編曲は今までにいくらでもあったのでしょうが、ここでの魅力はやはり「チェコ語」です。あの哀愁に満ちたコール・アングレによるメロディは、チェコ語で歌われることによって、なんと豊かな表情を持つことでしょう。意味は分かりませんがね。もしかしたら「座ると痛いよー」とか言ってたりして(それは「疣痔」)。
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by jurassic_oyaji | 2006-04-07 19:07 | 合唱 | Comments(0)