おやぢの部屋2
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Fantasista! MOZART





Various Artists
TOWER RECORDS/TWMZ-1



昨年のゴールデンウィークのさなかに東京で開催された「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンLa Folle Journée au Japon(日本の熱狂の日)」という音楽祭は、3日間で30万人以上のお客さんが集まったという、まさに「クラシックにあるまじき」(Yさん)盛況でした。酸っぱいですが(ラッキョウの日?)。クラシックといえば、ごく一部のマニアしか聴いていない音楽と思われがちですが、料金を安くしたり親しみやすい仕掛けを施すなどして敷居を低くすれば、人は集まるものだということを、この音楽祭は見事に証明してくれました。昨年はベートーヴェンが中心となったプログラムでしたが、2回目となる今年のテーマ作曲家はモーツァルト、ただでさえ生誕250年で盛り上がっているのですから、今回も5月3日から6日までの開催期間中は、有楽町の東京国際フォーラムの周辺はお祭りのような「熱狂」のにぎわいを見せることでしょう。
そんな、「モーツァルト・イヤー」と、「熱狂の日」という2大イベントを見据えて、ここぞとばかりに多くのコンピレーションが発売されているのは、ご存じの通りです。しかし、それらのものはお決まりの「癒しのモーツァルト」といった路線、いかにもお手軽な企画のように見えてしまって、本当のモーツァルト・ファン、本当のクラシック・ファンは見向きもしないのではないかと思われてなりません。
そんな、殆どクズ同然のアイテムの中にあって、このBOXは一本芯の入った企画が光っていて、なかなか手応えがありそうな感触がありました。タワーレコードとNAXOSの共同企画による10枚組のCD(それで2500円!)、それは単にモーツァルトの作品を並べるというだけではなく、そのモーツァルトに影響を与えたり、あるいは影響を与えられたりしたという周辺の作曲家までも含めた、大きな視野に立ったものだったのです。これだったら、かなりうるさいクラシックファンにも受け入れられるのでは。
1枚目から5枚目まではモーツァルトの生涯に即して、幼少時代から晩年までをコンパクトに紹介するものになっています。器楽曲だけではなく、オペラや声楽曲をバランスよく配しているのも好ましいものです。もちろん、それぞれの曲は1曲もしくは1楽章まるまる収録されていて、フェードアウトなどはかかってはいませんよ。
6枚目から8枚目までは、モーツァルトを巡る「過去、現在、未来」の作曲家たちの作品です。彼の伝記には必ず登場するエピソードが、「初めて聴いた多声部の曲を、その場で楽譜に書いた」というものですが、その現物、アレグリの「ミゼレーレ」を収録するのは、「過去」には欠かせないことです。そして「現在」になると、あのサリエリの登場です。映画「アマデウス」で、あまりにも偏ったイメージが浸透してしまったこの才能溢れる作曲家の作品、いざ聴こうと思ってもなかなか探すのは大変ですが、それがこんなに手軽に楽しめるのもすごいことです。「未来」は、彼の曲を素材にした作品。その中でもリストが「レクイエム」をピアノ用に編曲したものがあったなんて、初めて知りましたよ。こうなると、もはやマニアの世界と言ってもいいでしょう。
9枚目と10枚目は、20世紀半ばの演奏家達による、有無を言わせぬ名演集です。NAXOSの誇るヒストリカル音源を駆使して、今の小振りになってしまった演奏家達からは決して得ることの出来ない、まさに「巨匠」の音楽が堪能できることでしょう。ランドフスカがモダンチェンバロで弾いた「トルコ行進曲」なんて、他の企画では絶対あり得ない選曲でしょうね。そう、ここには、構成と選曲を担当した山尾敦史さんのこだわりが隅々にまでに溢れていて、決して安直に流れることはないのです。
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by jurassic_oyaji | 2006-04-27 18:10 | オーケストラ | Comments(2)
Commented by at.yamao at 2006-04-30 18:22 x
ジュラシックおやぢさま。楽しんでいただけたようで、とてもうれしいです。ナクソスじゃないとできないような企画でしたから、クラシックに詳しいファンにも喜んでもらいたいがために、かなり無理したところもあるんですが、新しい発見をしていただけるとうれしいです。
「ラ・フォル・ジュルネ」は、2日から6日まで頻繁に更新される会場レポートというのをネットでやりますので、お時間がございましたら楽しんでください。仙台も大規模なフェスティバルがあるようですね。
Commented by jurassic_oyaji at 2006-04-30 21:50
山尾さま
ご本人からコメントをいただけようとは・・・・・・。
BIGLOBEから配信されている週替わりのチャートの中で、タワーのおねえさん(Yさん)がコメントされているのを見て、ついチェックしてしまいました。
レポート、楽しみにしています。