おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
A Chorus Line
 劇団四季が、「コーラス・ライン」を持って全国巡業を行っています。そしてその最終地が仙台、今日から11日間のショート・ランを県民会館で行います。前に書いたように、この演目はかなり人気があるようで、チケットは早々とソールド・アウトになっていましたし、そのために追加公演が入ったりもしていました。もちろん、これはブロードウェイのミュージカルなわけですが、映画にもなっていますから、その映画を見た人がステージも見てみたい、と、この盛況となったのでしょう。
 私も映画は見ていましたから、大いに期待をして、この初日の会場に足を運ぶことになるのです。ただ、映画を見たのはだいぶ前のことですから、ほとんど細かいところは忘れてしまっています。音楽も、一番有名な「One」以外は全く記憶に残っていません。ほとんど初めて見る感じで、舞台に臨みます。
 物語の大筋は、覚えていました。コーラスのダンサーを選ぶオーディションの中で、それぞれのダンサーの過去を語る、というお話でしたね。しかし、映画ではそれなりに引き込まれるものがあったような印象だったのですが、このミュージカルではなにかそのドラマの部分からは退屈な印象しか与えられません。というか、登場人物が多すぎて、誰が誰だか分からなくなってしまうのです。特に、今回は3階席で見ていましたから、顔なんかほとんど分かりませんし(その分、体つきがかなり強調されてはいましたが)。そもそもこの話は、かなりシニカルなものではないでしょうか。一番の見せ場、最後に合格者が決まる場面でのとてつもなく意地悪な演出家の仕打ちが、それを端的に象徴しています。有名な話ですから、バラしても構わないでしょうが、「次に名前を呼ぶ人は、一歩前に出て下さい」と言われて、呼ばれた人は本当に嬉しそうに前へ出てきます。そして全員が呼ばれた時に、「その人たちは不合格です。帰ってよろしい」と言われるのですからね。
 その意地悪な役が、映画ではマイケル・ダグラス、何ともニヒルで、「いかにも」という感じがありました。しかし、今回の加藤さんは、ちょっと「いい人」過ぎやしませんか?そう、ずっと感じていた退屈な思いというのは、加藤さんだけではなく、出演者全員がそんな「ダーク」な思いをきちんと表現出来ていなかったことから引き起こされたのではないかと、今気が付いたところです。特に、あの「新劇調」のセリフは、あまりにも明るすぎてこのミュージカルの世界にはそぐわない気がしてしょうがありません。
 それと、一部の人を除いて歌があまりにひどいのにも、ちょっとがっかりしてしまいました。もっとも、その分踊りにはかなり力が入っていたのでしょうから、それで差し引きゼロ、でしょうか。確かに、あれだけの踊りと歌を両立できる人は、なかなか居ないのでしょうね。
 シニカルな内容を引きずったように、エンディングも盛り上がらないでいつの間にか終わる、というちょっと寂しいものでした。あまりにひねくりすぎて、素直には楽しめない作品だな、というのが正直な印象です。
[PR]
by jurassic_oyaji | 2006-09-08 23:41 | 禁断 | Comments(0)