おやぢの部屋2
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Maggio Musicale Fiorentino
 前回の「禁断」はたまたま見た映画のことを書いたのですが、実はまさに今、その同じプロダクションのフィレンツェ歌劇場(という劇場は実際にあるわけではなく、正式には「フィレンツェ5月音楽祭」)の演目「トゥーランドット」が上演されているのですね。びっくりしました。もちろん、そんなものを見に行く時間もお金もない私は、少し早めなのですが、髪をカットに行くぐらいのことしかできません。定期演奏会の時に長からず短からずという状態にしておくためには、この時期に行っておかないとまずいので、いつになく早いペースで美容院に行くことになってしまいました。例によって、シャンプーから始まりますから、別のブースにあるシャンプー台へ行かされます。そこで店内に流れている、おそらく有線でしょう、BGMを聴くとはなしに聴いていると、何だかBGMにあるまじき不思議な音がしているのに気づきました。それはピアノのソロのようなのですが、まるでプリペアド・ピアノのように、不思議な変調がなされた音だったのです。どうやらジャズのようですが、ハービー・ハンコックみたいにピアノにそんな処理をして弾いているのか、あるいはシンセなのか、いずれにしても美容院で流すBGMにしてはぶっ飛んだセンスだな、と思って聴いていました。しかし、そのうちに、曲が変わってボーカルになると、その声もやはり同じような変調がかかっているではありませんか。うすうす気づいてはいたのですが、これはそういう音楽がかかっていたのではなく、装置の方に何らかの問題があって、そんな変な音になっていたのですね。とりあえず、このブースだけでそうなのであれば、それはスピーカーが悪いことになります。エッジのウレタンがくたびれてしまったとか。しかし、カットのために鏡の前の別の席に移っても、その音は同じままでした。そうなると、原因は有線のデコーダーかなんかの電気的な不良ということになります。有線の仕組みというのはよくは知りませんが、スクランブルのようなものが完全に解除されないとこんな音になるんではないか、という気がします。
 そこで、熱心に私の髪を梳いている、このお店の最古参の美容師さんに「これ、有線の音が悪くなっているので、言った方が良いですよ」と言ってあげました。美容師さんも、「そういえば、他のお客さんにも言われました」とは言うものの、「あまりよく分かりません」ですって。私は、2ヶ月前にここに来たときに、すでにこれには気づいていました。そこに1日中いる人が気づかないなんて。普通の人の耳なんて、そんなものなのでしょうかね。
 そんな話をしているうちに、なぜかその美容師さんは「仙台には、ちゃんとした設備のホールがないんですってね?」なんて言い出しました。そういうことは、われわれクラシックに興味のある人たちの間ではすでに常識ですが、それはごく限られた世界の中での「常識」だと思っていましたから、これにはちょっと驚いてしまいました。こんな、自分の店に流れている音の欠陥も気づかないような人でさえ、仙台にはまともなホールがないということを話題にするぐらい、それは広範な人の間に浸透しているのでしょうか。「長町あたりに作るという話でしたよね?」と、断片的な知識も持ち合わせているようでした。
 そこで私は、音楽ホールとして不可欠の3要素、収容人員、音響特性、オルガンの有無について、しっかりレクチャーしてあげましたよ。それらを全てクリアするホールは、ちょっとした都市には必ずあるようになったのに、仙台には一つもないということ、それを作るという計画もあったのに、それは「白紙撤回」されてしまったことも、もちろん付け加えました。
 ところで、東北大学の記念講堂をコンサートホールにリニューアルするという計画は、一体どうなっているのでしょう。
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by jurassic_oyaji | 2006-09-17 19:44 | 禁断 | Comments(0)