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Twentieth-Century Masters




Edward Higginbottom/
The Choir of New College Oxford
AVIE/AV 2084







Edward Higginbottom/
The Choir of New College Oxford
AVIE/AV 2085



ヒギンボトムとオクスフォード・ニュー・カレッジ聖歌隊という珠玉のメンバーが、「20世紀の名匠たち」という面白いシリーズを出してくれました。その第1巻が「プーランクとフランスの同時代の作曲家」、第2巻が「マクミランとイギリスの同時代の作曲家」、「青盤」、「赤盤」といった感じですね。第3巻以降があるのかどうかは分かりません。
「フランス編」は2005年の8月、なんとフランスの教会で録音されています。「イギリス編」の方は、その1年前、2004年の7月、イギリスでの録音ですが、場所はホームグラウンドのニュー・カレッジではなく、バークシャーの教会になっています。そんな感じで、各国を巡って現地録音をするというプロジェクトでもスタートしたのでしょうか。ドイツだとライプチヒのトマス教会とか。
ただ、この2枚の間には1年のインターバルしかないのに、メンバーがかなり代わっているのには、ちょっと驚かされます。少年達が入れ替わりが激しいのは分かりますが、大人のパートでも、大幅なメンバーチェンジがあるのですから。そうなってくると、当然合唱団としての音色や音楽性もかなり変わらざるを得ません。以前からこの団体に対してはかなり良い印象を持っていたのですが、今回の「フランス編」では、トレブルパートにかなりの不満が残ってしまいました。ただ、大人の男声パートにはとても素晴らしいものがあったのは嬉しいことでした。男声だけで歌われれるプーランクの「アシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り」はまさに絶品、柔らかさにかけては今まで聴いた中でもベストの感触でした。そんな男声に助けられて、メシアンやヴィレットのモテットでは良く溶け合った美しい響きを出していました。しかし、メインのプーランクの曲になると、トレブルパートが何か無理をしている感じがつきまとってしまうのです。例えば、「クリスマスのための4つのモテット」の最初の曲、「O Magnum mysterium」で、導入の柔らかい男声に続いて、あのフルートソナタの第2楽章にそっくりなテーマが、それまでの流れに逆らうようなとても雑な歌い方のトレブルで出てきたときには、本当にがっかりしてしまいました。他の曲でも、貧弱な少年パートのせいで、音楽全体がブツ切れで流れのないものになっていましたし。無伴奏のミサ曲など、トレブルの貧弱さだけが目立ってしまって、とても作品の美しさを味わう事は出来ませんでした。プーランクのソプラノパートというのは、こんなに難しいものかと、再認識させられたものです。指揮者のヒギンボトムも、本当は大人の女声を使いたいのかも知れませんね(美人求む)。
しかし、 もう一方の「イギリス編」では、うってかわって充実したトレブルを聴く事が出来ます。その分、男声にほんの少し精彩が欠ける部分がありますが、全体のバランスに影響を与える程のものではありません。こちらの作曲家はイギリスのまさに現役の人たちばかり、作品も実は「21世紀」に作られたものもあるのですが、まあ大目に見て下さい(というか、タイトルは「20世紀生まれの・・・」という事でしょうね)。とは言っても、この中で聴いた事があるのはジェームズ・マクミランの曲だけ、それ以外は名前すら聞いた事のない人ばかりです。その唯一の顔なじみ、マクミランの「On the Annunciation of the Blessed Virgin」は、世界初録音のレイトン盤よりもさらに立ち入った表現を聴く事が出来る名演です。その他には、最も若いライアン・ウィグルスワースという人の「Libera Nos」というミニマルっぽい曲が、とても素敵でした。この人と、マクミランや最初に歌われるジュリアン・アンダーソンという人の作風には刺激的なものを感じる事が出来ましたが、その他はおおむねオーソドックスな肌触り、とても練れた演奏と相まって、時折睡魔さえ催す程の心地よさが味わえたのは、良い事なのか悪い事なのか。
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by jurassic_oyaji | 2006-10-06 19:58 | 合唱 | Comments(0)