おやぢの部屋2
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Hide and Seek
 韓国ドラマの最新作、「春ワル」は、2回目を迎えて早くも混沌とした様相を呈しています。前回はウィーンなどヨーロッパでのロケ、出演者も天才ピアニスト、賞をもらった工芸デザイナー、音楽プロデューサーなど、まさにあこがれの対象の職業、ほとんど「トレンディドラマ(死語)」のような煌びやかさを持ったものでした。しかし、それが一転して、舞台は辺鄙な離島、詐欺師の父親に連れてこられた男の子にしても、その初恋の相手となる島の女の子にしても、とことん田舎っぽい顔で洗練のかけらもありません。名前も、女の子はファーストネームが同じですから、将来ウィーンへ行くことになる工芸デザイナーであろうことは予測が付きますが、男の子の方は全然関係のない名前ですから、一体どういうつながりなのかとんと見当が付かないことになります。情報によれば、この可愛くないガキが、あのイケメンピアニストの少年時代なのだとか。本当かよ、という感じ、これが韓国ドラマのやり方なのでしょう。
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 やはり、子役は可愛い方がいいに決まっています。あのダコタ・ファニングちゃんも少しずつ「成長」してきてはいますが、まだまだ魅力はあります。おととしの作品「ハイド・アンド・シーク-暗闇のかくれんぼ-」をWOWOWでやっていたので、これを見逃す手はありません。ロバート・デ・ニーロとの共演、親子、というのはかなり無理のある設定ですが、さすが名優デ・ニーロ、なんの不自然さも感じさせない外観です。お目当てのファニングちゃん、母親が「自殺」した現場を目撃したために、心に傷を負ってしまったかに見えます。その演技がとても素晴らしいものでした。決して笑顔を見せようとしないその表情は、背筋が凍り付くような恐怖心さえ抱かせるもの。しかし、ほんのちょっとでも心を開くような時に見せる曖昧な表情の中では、この物語の結末をなんと雄弁に語っていることでしょう。まだしばらくは、彼女のファンでいられるに違いありません。
 これはとんでもないどんでん返しが待っている物語ですから、もちろんネタバレは御法度、しかし、このようなものを見慣れている私にとっては、そんな練りに練られたプロットなどとっくにお見通しです。半分ぐらい過ぎたところで、「真犯人」は分かってしまいました。「シークレット・ウィンドウ」と同じ仕掛けですね(それが、ネタバレなんだって)。
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 実は、ジョニー・デップ主演のその映画のことは、今思い出したところです。ですから、直接その謎解きのヒントになったものは別にありました。それは、ほんのちょっと前に読み終わったばかりの「幸福の軛(くびき)」という、清水義範の小説(幻冬舎文庫)です。こちらは中学校の「いじめ」に端を発した殺人事件を、教育コンサルタントが解決のために奔走する、というお話ですが、その結末がこの作家からは全く予想できないような悲惨なものだったので、とてもショックを受けたものなのですよ。つまり、ここでの「真犯人」の設定が、この映画とそっくりだったので、私には先が読めた、ということなのです。でもこの小説、その中ではとても美しい「愛」が描かれているのですが、それが美しいだけ、その果ての辛すぎる仕打ちには、何ともやりきれない気持ちになってしまいました。どんな形であれ、読者に、そして観衆に心の波を起こさせることが出来れば、それは優れた作品の持つ「力」のせいなのでしょう。
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by jurassic_oyaji | 2006-10-15 20:37 | 禁断 | Comments(0)