先ほど放送されていた「エフエム名曲アワー」、ご存じ「元寺コージ」さんの名調子に乗って流れてきたのは、「君が登れと言うのなら、登ってやるぜ、東京タワー」などという過激な曲でした。実は好きな女の子のために、恋敵とこのぐらいに張り合ってもいい、というけなげな内容なのですが。ただ、これだけでもすごいのに、2番は「君がとばせと言うのなら、とばしてやるぜハイウェイ」ですから、ちょっとあぶなくなってきます。制限速度はお構いなしに突っ走るというのですから、時代が時代なら放送禁止になりかねない歌詞です。実際クレージー・キャッツの「五万節」が、そんなタクシー運転手を歌って放送禁止になったことがありましたよね。そして3番になると、「君が走れと言うのなら、走ってやるぜ山手線」ですって。恋敵は「外回り」なので、自分は「内回り」の線路の上を走ってやろうじゃないか、という、危険極まりない「告白」、これはすごいです。
残念なことに、この曲のタイトルとアーティストを聞き逃してしまいました。サウンド的にはマイナーコードに乗った、いかにものグループサウンズ風ですから、70年代の作品なのでしょうね。もしご存じの方がいらっしゃったら、ご教示下さい。これはまさに山下達郎の「珍盤奇盤」ものです。
こういうオールディーズ、もちろん最初にリリースされたのはEP(シングル盤)の形だったはずです。今ではCDになっているのでしょうが、形態は変わっても音楽そのものは変わらないで残っているのですから、これからもきちんと受け継がれていくことでしょう。しかし、そんな技術の進歩によって取り残されてしまったフォーマットから、全ての人が新しいものに移行できるわけではありません。ホームビデオなども、そんな一例でしょう。私も昔は子供の運動会などとりまくったものですが、その頃から「8ミリビデオ」とか「ハイエイト」などという互換性のないものが登場し始めてきて、なんだか嫌気がさしてきた思い出があります。もうすっかりそんなものと縁がなくなっていますから、実は最近の「デジタルビデオ」なども使ったことすらありません。なんでも今ではDVDのカメラなども出ているそうですね。ですから、今ではどこに行っても「8ミリビデオ」のテープなんか売っていないことを知り合いから聞いて、こんなものから足を洗っておいて良かったとしみじみ思っているところです。あ、「シングルエイト」というのもありましたね。
それは、ビデオテープではなく銀塩式のフィルムなのですが、その静止画でもやはりフォーマットの移行がものすごい勢いで起こっていますよね。先日親戚の結婚式に行ったところ、出席していた人が使っていたスチルカメラは、全て(本当に1台残らず、でした)デジカメだったのですから、すごいものです。なんでも、最近はネガフィルムからのプリント代が、ずいぶん高くなったというのを、やはりさっきの知り合いから聞きました。デジカメを家庭でプリント出来るような時代なのですから、それも当たり前の流れなのでしょう。何たって、さっきみたいな東京タワーに登っているような「あぶない」写真だって、平気でプリントできてしまうのですからね。