おやぢの部屋2
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An die Freude
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 合唱団の関係で、岩沼の「第九」に行ってきました。考えてみたら、生の「第九」を客として「聴く」ことなんて、一体何年ぶりになるのでしょう。開演1時間前に、会場の横の駐車場に着きました。入り口はここからだと裏手、もうすでにかなり並んでいるのではないかと思っていってみると、そこには誰もいませんでした。近づいてみると、中に入ったところに列が出来ているのですね。まるでディズニーランドのアトラクション待ちの列のように、ポールで柵を作ってジグザグに並ばせていました。ただ、その仕切の紐が普通のPP紐というのが、いかにも「手作り」という趣です。そんな手作り感はあちこちに現れていて、プログラムには今までの演奏会の全てのデータが、写真と一緒に載っていました。なんでも今回は第20回を迎えたそうで、力も入っているのでしょう。ただ、なんせ手作りですから、なかなか目の行き届かないところもあるようで、そのプログラムの中には26箇所ものミスプリントがあったという「正誤表」まで付いてきていました。「発生練習」というのが大ウケ、一体どんな練習なのでしょう。私もこの「手作り」に参加しようと、表紙のこんな間違いを見つけました。もちろん「Beethoven」でしょうね。
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 開場を待っている間にスタッフの人が「2時間半かかります」と言っていたのがちょっと気になります。「第九」の前に合唱だけのステージがあるそうなのですが、それでもせいぜい2時間で終わるだろうということは、長年角田で経験していますからね。その、角田でもお馴染み、Kさんがアレンジして、指揮までなさるというステージが終わったときに、その長さの謎が解けました。これから、「20回記念式典」が行われるというのですよ。御挨拶とか、協力団体の表彰に続いて、プレゼント抽選会が始まりました。チケットに通し番号が振ってあって、半券を抽選して当たった人にはお米とかお食事券(予想通り、最初は「汚職事件」と変換されました)が当たるというものです。まさに「手作り」の極みですね。
 合唱団は全部で150人以上はいたでしょうか。「角田」の2倍の人数です。中には、その角田の会長さんもいたりして、かなり相互乗り入れが行われているみたいですね。ただ、初めのステージにはそれだけ居たものが、「第九」のステージでオケの前に合唱が入ってきたら、女声が半分になっていたのにはびっくり。確かに男声とのバランスがそれでちょうどよくなりますが、「選抜」したのでしょうか。椅子がないので、山台の上にそのまま座っていました。
 演奏は仙台フィル、そして、指揮は今をときめく「のだめ」の指揮者、梅田俊明さんですよ。確か来週あたり、東京フォーラムで「のだめオーケストラ」のコンサートを振るはずですよね。ですから、指揮者が現れたときに、誰か「千秋!」とか、声をかける人がいないかと思ったのですが、誰もいませんでした。当たり前ですが。なぜか、ティンパニだけ最初のステージから表に出ていて、残りの楽器はさっきの「抽選会」の時にセッティングという段取りでした。そのティンパニが、ペダルなどは付いていない、天然の皮を張った楽器のようなのです。おそらく、急に照明が当たって温度が変化しないように、最初から表に出しておいたのでしょう。楽譜にベーレンライター版を使っているというのは知っていましたが、こんな「ピリオド・アプローチ」も、最近の仙台フィルでは取り入れていたのだとは。そのティンパニの効果は、絶大のものがありました。正直、このティンパニが聴けただけで、このコンサートに来た甲斐があったと思ったほど、生き生きとした音楽が味わえましたよ。
 第2楽章が終わっても、ソリストは入ってきません。そのまま第3楽章になってしまいます。ですから、第4楽章はアタッカで入るわけにはいきません。一休みしている間に、ずっと座っていた合唱団が立ち上がったかと思うと、その前にさっき足らないと思っていた女声が入ってきたではありませんか。つまり、これはステージが狭いための苦肉の策だったのですね。第3楽章の前で入れてしまうと、あの長くて退屈な楽章の間中立ちっぱなしになってしまいますからね。
 その第4楽章は、とても見事な合唱でした。これだけの人数だと、オケがいくら大きな音を出しても(仙台フィルはそこそこの音量で演奏していましたが)合唱が埋もれてしまうということはありません。20年という時の重みなのでしょうか、「第九」という音楽を体全体で理解していなければ歌えないような素敵なフレーズがあちこちに見られて、圧倒されました。
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by jurassic_oyaji | 2006-12-16 22:26 | 禁断 | Comments(0)