おやぢの部屋2
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Rhapsody in Blue
 とうとう最終回になってしまいましたね。オープニングのテロップで「Last Lesson」となっていたのが、ちょっと悲しい感じです。一応パリに留学するというところまで話が進んだので、その気になれば続編を作ることは出来るのでしょうが、二ノ宮先生がそれには難色を示しているということですので、実現は難しいのかも。しかし、クラシックのフィールドでこれだけの実績を作ってしまったドラマを、業界としては放ってはおかないでしょうね。なにしろ「のだめオケLIVE」など、関連の商品の売り上げと言ったら。
 あのサントリーホールを満席にしてのコンサート、締めくくりとしてふさわしい、立派なものでしたね。何よりも、マイクやテレビカメラが全く見えないというのが、変なリアリティを出しています。「テレビで見る」オーケストラのコンサートというものには、当たり前ですが必ずマイクやカメラが写っていますから、それがないと逆に嘘っぽく見えるという不思議なことが起こってしまいます。
 客席でのミルヒの言葉には、重みがありました。「音大を卒業する人はいっぱいいるが、オケの数には限りがある。ずっと音楽を続けていられるのは特別なことと思わなければならない」みたいなことだったでしょうか。二ノ宮先生の掲示板に、この番組の音楽監督(監修?)がさんざん書いていた、もっとシビアな言い口を少し角を取ったものに仕上げたのがこのセリフだったのかもしれません。現実のオーケストラでの就職活動はまさに熾烈、そんな「本音」を、キャストの口を借りてもらすあたりが、このドラマの凄さなのでしょう。
 シンフォニーは、カメラのアングルの見事さに感服しました。「見事」というのは、ほぼ完璧にボロを出さなかった、という意味です。一番難しいのは管楽器や打楽器が演奏しているところをきちんを合わせることなのでしょうが、冒頭の真澄ちゃんのティンパニはよっぽど練習したのでしょう、完全にシンクロしていましたね。管楽器も、倍管の編成になった木管は、ソロの部分ではまずアップにしないという「鉄則」を守った結果、音楽ビデオとしてみた場合には全くつまらないものになりました。どんなビデオを見ても、序奏のフルートソロは必ず写っていますからね。もちろん、ドラマなのですから、その間にのだめのアップなどを入れてお茶を濁すという、セオリー通りの流れになるわけです。それほどの配慮をしたにもかかわらず、オーボエパートでなぜかトップではなく1アシを吹いている黒木クンが、まずダブらせることのないところで吹いていた、などというところが見付かってしまいますから、たまりません。
 千秋の指揮ぶりは、この番組の収録中に格段の進歩を遂げたことが、このシーンでよく分かります。全ては指揮コーチの梅田さんのおかげなのでしょう。おそらく、千秋も梅田さんのビデオを見て猛練習に励んだに違いありません。その結果、梅田さんそっくりの指揮になってしまったのは、当然のことです。いかにも華のない指揮ぶりを感動的なものに変えたのは、目を真っ赤に泣きはらしての渾身の演技のおかげです。
by jurassic_oyaji | 2006-12-26 00:03 | 禁断 | Comments(0)