おやぢの部屋2
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Anno's Journey
 私が絵本マニアだというのはだいぶ前にカミングアウトしてありますが、その中でも安野さんのものは別格、「絵本」という範疇には収まりきれない一つの表現作品として、常に刺激を与えられるものでした。傘寿を迎えられたということですが、いまだにその創作意欲は衰えを見せていないようです。つい最近も「週刊朝日」に新しい連載が始まったということで、さっそく覗いてみました。これは例の掲示板で書き込みがあったもので、「安野学の大家」(掲示板ではそう呼ばれています)としては、見逃すわけにはいきません。
 もう一つ、その掲示板には気になることが書いてあったので、それを確かめるという目的もありました。それは、最近の安野さんのお体についてのコメントだったのですが、ちょっとギクッとするようなことが、確かに書かれていました。逆に、これほどオープンに書くからには、そんなに心配することではないのでは、という気にもなりますが。ここで見ることが出来る安野さんの最新作は、黄河のスケッチなのですが、その色合いはとても荒涼としたもの(何でも、現地の砂を絵の具として使ったのだとか)、しかもそのフォルムは極めて簡略化された、抽象の一歩手前といった趣です。もちろんカラー印刷なのですが、そこからはモノクロの水墨画のような世界を感じてしまいます。安野さんはここまでのところに到達してしまったのか、という感慨がわいてくるほど、それは深いものでした。
 その掲示板では、求められるままに私の蘊蓄を披露しようと、書き込んだのがこんなネタ。もっとも、これはファンだったら誰でも知っていることなのですが。
 私が最高傑作だと思っているのは「旅の絵本」の第1巻ですが、今手に入るものは教会の屋根葺きのページが最初に出版された時のものとは違っているのです。どこが違っているかというと、瓦が葺かれている位置です。初版では上から葺いていますが、これだと雨が漏ってしまいます。それを読者から指摘されて、その部分を書き直して、下から葺いているものが、今では使われているのです。
 しかし、この「書き直し」は、およそ安野さんらしからぬ雑な仕上げになっていますよね。オリジナルを見なくても、書き直した跡ははっきり分かってしまいます。おそらくこれは安野さんご本人の手による修正ではないのではないか、そんな気がしてならないのですが。
 それともう一つ、この修正版は色合いがまったく違っています。確かに印刷の時のムラということはあり得ますが、他のページではそれが全く違和感のないほどの違いなのに、このページだけが全く別の色になってしまっています。これも、おそらく原稿を差し替えた時の製版のコンディションなどで、違ってしまったのでしょうね。ですから、渋い色合いの初版本は、たとえ瓦の葺き方が間違っていても、私にとってはかけがえのない宝物です。
 (と、これは掲示板のコピーになってます。あちらは会員制ですから普通の人は見れませんが、せっかくだからこちらのコンテンツにもしたいという貧乏根性の現れ、Mさん、お許しを。)
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by jurassic_oyaji | 2007-02-23 21:06 | 禁断 | Comments(0)