おやぢの部屋2
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Sounds of Sund
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Robert Sund/
Orphei Drängar
BIS/BIS-NL-CD-5030



スウェーデン王立男声合唱団、いわゆる「オルフェイ・ドレンガー」は、1853年に創設されたという、気の遠くなるような歴史を持った合唱団です。ちなみに「オルフェイ・ドレンガー」という正式名称は、この合唱団が出来た時に最初に歌った曲が「オルフェイ・ドレンガー(オルフェウスのしもべ)の歌を聴け!」という歌詞で始まる「オルフェイ・ドレンガー賛歌」に由来しているのだとか、この曲は現在でもこの団体のテーマソングとして、コンサートの最初に演奏されています。200510月に東京で行われたコンサートも、この曲で幕を開けました。そう、このコンサートこそ、この世界最高の男声合唱団が実に21年ぶりに日本の聴衆の前に立ったという、まさに歴史的なものだったのです。その模様はテレビでも幾度となく放映されましたから、間接的にこのコンサートを体験された方も多かったはずです。それはまさに「世界一」の名に恥じない、素晴らしいものでした。80人以上の大編成が繰り出す迫力はとてつもないもの、かといってフットワークは軽やか、繊細なしなやかさが損なわれることは決してありませんでした。アンコールで演奏された武満徹の編曲による「さくら」で見せたまるでガラスのように煌びやかな色彩を持つ透明感は、男声合唱という次元をはるかに超えたものとして印象に残っています。
その時に指揮をしていたのは、40年にわたって指揮者を務めていたあのエリック・エリクソンの後を引き継いだローベルト・スンドでした。彼自身もかつてはこの合唱団の団員だったというスンドは、合唱指揮者であると同時に作曲家であり編曲者、彼の編曲作品はスウェーデン国内の合唱団の人であれば一度は歌ったことがあるというほどの、人気のあるものなのです。2006年の秋に録音されたこの最新のCDには、タイトル通りスンドがこの合唱団のために書き下ろした編曲が、たっぷり収録されています。
若い頃はジャズピアニストとしての経験もあったというスンドですから、ジャンルにとらわれない選曲と、その編曲のセンスにはひと味違ったものがあります。マンハッタン・トランスファーも歌っていた「A Nightingale Sang in Berkeley Square」では、ジャズ・トリオとの共演でノリのよいところを聴かせてくれています。信じられますか?80人の男声合唱が、軽やかにスイングしているのですよ。エリントンの「Sophisticated Lady」のダルな感じといったら、どうでしょう。
ピアソラの「La Muerte del Angel」でのタンゴのリズム感も素敵、メキシコ民謡の「La Cucaracha」(これは、日本のコンサートのアンコールでも歌っていました)では、なんとヴォイス・パーカッションまで取り入れています。もちろん、しっとり聴かせる「Londonderry Air」でのピュアな高音の美しさは、筆舌に尽くせません。
スンド自身が作った「男声合唱のための4つの歌」という曲も聴くことが出来ます。民謡的な素材にモダンなハーモニーを付けた、ちょっとおしゃれな曲です。
ゲストのソリストも充実しています。中でもエディット・ピアフの「La vie en rose」などで参加しているソプラノのジネッテ・ケーンの、しなやかな男声にしっかり溶け込んだ声は絶品です。ステファン・パークマンなどという合唱指揮界の重鎮(ベルリン放送合唱団とのCDがありました)の澄んだテノールも聴けますよ。
「夏至祭」(NHKの「今日の料理」のテーマに酷似)で有名な作曲家フーゴー・アルヴェーンによって「声のオーケストラ」とも呼ばれるほどの力を付けた後、エリクソンによって徹底的に磨き上げられたこの合唱団は、スンドの時代になってさらに幅広い視野を獲得しようとしています。その事を実感させてくれるのが、この素晴らしいアルバムです。これを聴かなければ後悔すんど
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by jurassic_oyaji | 2007-02-28 21:49 | 合唱 | Comments(0)