おやぢの部屋2
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Pilgrimage to Tsuwano 3
 演奏は、会場での声だしが全くないというブッツケ状態で始まりました。自分たちの声が一体どのように届いているのか全然分からないのが不安です。歌っていると、自分の声すら良く聞こえない感じ、他のパートもあまり聞こえてこないので、果たして正しいハーモニーで歌っているのか、とても不安になってしまいます。
 後の方を見ると、先ほど車で送り迎えをしてくれたペンションのオーナーが、本格的なカメラを構えているのが分かりました。このオーナーはカメラマンだそうで、ペンションには彼の作品がたくさん展示してありました。今録っている映像は、翌日の朝食の時に見せてもらえるそうなので、楽しみです。
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 私達の演奏は前半がこの前のコンサートの最後のステージで歌った色々な曲を「時を超えて」というテーマでまとめたものです。オペラシティでの時には小原孝さんがピアノを弾いて、それこそただの伴奏ではない、インプロヴィゼーションも交えつつのぶっ飛んだコラボレーションが展開されていたのですが、津和野には同行してはいないので森ミドリさんのピアノです。小原さんに負けじと森さんが考えたのは(誰のアイディアかは分かりませんが)、津和野の小学校や中学校の「校歌」を、それぞれの曲のイントロとして使う、というものでした。多分、ここに聴きにきている人たちにはお馴染みに違いないメロディーが森さんの手によってちょっとおしゃれに響いたあと、「少年時代」とか「さくら」が始まる、という趣向です。
 その森山直太郎の「さくら」が始まった時、一番前に座っているおばさんが、とても気持ちよさそうに歌い始めたのが目に入りました。その瞬間、なんだかとても熱いものがこみ上げてくるような気持ちになってしまったのです。お客さんが一緒に歌い出すなどという現場には何度も遭遇していたはずなのに、このときばかりは涙さえ出てきて、しばらく歌が歌えない程になってしまいましたよ。なんというのでしょう、音楽を通して確かなコミュニケーションが成立した瞬間に立ち会えたような、殆ど感動に近いものがあったのです。その頃にはちょっと違和感のあった会場の音響にもだいぶ慣れてきて、一体感は深まるばかり、終わって先ほどの控え室に引っ込むと、指揮者は「すごく声が出てる」と言っていました。我々には分からなくても、向こう側にはきちんと声が通っているというのです。恐らく、後の「魔法陣」のタイルが、良い反響板になっていたのでしょう。
 後半、この曲のためにここまでやってきた「津和野」は、一番前に座っている安野さんの表情ですっかりメッセージが伝わっている事が分かりました。全曲が終わった瞬間には、安野さんは立ち上がって拍手を送ってくださいました。
 この演奏会には、安野さんの誕生日(実際は20日)という意味もあったので、打ち合わせ通り「ハッピー・バースデイ」を歌ってプレゼントを差し上げました。斜めがけにしているショルダー・バッグがそのプレゼントです。
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 会場は大盛り上がり、最後に安野さんは「何か、校歌のようなものはないんですか?」と聞いてきました。確かに学生時代には「青葉もゆる」という学生歌を定期演奏会のオープニングで歌っていましたので、まさに勢いで「ああ、東北大」で終わるこの曲を、津和野の安野さんの前で大声で歌うという予想外の事が、そこで行われてしまうことになります。ちょっとしたこだわりがあったもので、これは決してオペラシティでは歌う事はなかったのですが、こんな形だったらすんなり歌えてしまいます。これを知ったら、悔しがる人が出てくる事でしょう。
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 打ち上げは、なんと宴会形式、でも、安野さんにサインをねだったり、一緒に写真を撮ったり、とっても楽しいものでした。
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by jurassic_oyaji | 2007-03-20 23:28 | 禁断 | Comments(0)