おやぢの部屋2
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Pilgrimage to Tsuwano 5
 プラネタリウムは40分程かかりました。あと少しすると、今度は安野さんのサイン会が始まります。私は別にミーハーではないので、「今さらサインなんか」と、大して乗り気ではなかったのですが(実際、買う本はありませんし)、愚妻は意気込んで物色しています。その間きのうコンサートがあったあたりをブラブラしていると、そこへひょっこり安野さんが現れたではありませんか。そばにペンション組のMさんがいたので、一緒に近づいて話をしてみました。きのうの宴会の時は、人がたくさんいたのでとうとう話をすることはできなかったのですよ。かなり緊張して、口ごもりながら「デビューの時からの先生のファンでした」とか言ってみると、Mさんも「この人は、安野さんのことなんでも知ってるんですよ」と助け船を出してくれます。安野さんは「ああ、そうですか」と平然としたものです。うん、その気持ちはよく分かります。私もほんの少し前、ショップで仲間から「『ジュラシック』、すごいですね。とても分かりやすいです」とか言われて、「いや、あれがウリなんですよ」なんて謙遜して見せたばっかりでしたからね。もちろん、全く次元の違う世界の話ですが。
 間近でお話しした安野さん、とても81歳とは思えないような若々しいオーラが漂っている方でした。「握手してくださいますか?」と言って手を差し出すと、気さくに握り替えしてくださいました。その手を伝わって、安野さんのオーラが少しは私に入り込んできたのかもしれない、と思ったのは、まさに「信者」の心境のなせるわざでした。
 サイン会の会場は「教室」です。この美術館には、昔の小学校の教室を再現したところがありますが、そこにも安野さんの「仕掛け」が満載でした。
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 お分かりでしょうが、これらは全て安野さんの作ったものです。「藤本先生」は絵本にも登場しますね。「ごますり」が効いてます。
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 ただサインをするだけだと思っていたら、安野さんが教壇に座って「授業」が始まりましたよ。いえ、ちょっとした雑談なのですが、それは安野さんならではの知的なひらめきが随所に感じられるものでした。立ち上がってチョークで黒板に書いた文字が、まさに「安野フォント」だったのにもびっくりです。それが終わって一人一人に丁寧にサインをして下さいました。中には自分が書いた水彩画を持ち込んで、安野さんのコメントをもらっているというすごい人もいましたね。いや、実はきのうのコンサートの時に一緒に歌っていた人が、そこにいたのですよ。この人はもっとすごい完璧な「追っかけ」、北九州からやってきて、コンサートとサイン会を満喫していたようです。こんな「同士」に会えたのも、「聖地」ならではのことでしょう。
 肝心の展示室に行っていなくても、これだけでもう十分、時間もなくなってきたので美術館に別れを告げました。また来ることもあるでしょうし。
 それから向かった、夕べのタクシーの運転手さんに聞いておいた「わらじや」というお店で食べた天丼は、ちょっとすごいものでした。大きな海老が3本も入っていて、それがご飯の上に高々と積み上げられています。それだけではなく野菜がもう5品、そのままではとてもご飯が食べられませんから、天ぷらを一旦置いておく皿が一緒についてました。その海老が、もうプリプリ、あっさりしていておいしいのなんの、もしかしたら今まで食べた中で最もおいしい天丼だったかもしれません。それで値段は1100円! 信じられない安さです。
 残った時間で町の中を歩き回っていると、知った顔に何度会ったことでしょう。こんなに楽しい時間を作ってくれた合唱団の仲間には心から感謝です。私にとってはまさに「聖地巡礼」だったこの旅によって、もしかしたら今まで引きずっていた煩わしいものからの決別ができたのかもしれません。リニューアル・ジュラシックが津和野で誕生しました。
by jurassic_oyaji | 2007-03-22 22:12 | 禁断 | Comments(0)