おやぢの部屋2
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DURUFLÉ/Requiem
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Isabelle Everarts de Velp(MS)
Benoît Giaux(Bar)
国分桃代(Org)
Geert Hendrix/
Koor Helicon
MELOPHONE/M001-06



ベルギーの音楽家たちによるデュリュフレのレクイエムのCDです。このジャケットは一瞬ブドウ畑なのかな、と思ってしまいましたが、よく見ると人の顔、そう、まさに作曲家デュリュフレの顔が水彩のタッチで描かれていたものでした。元になったのはこの写真でしょうね。
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この曲は、ついこの間ご紹介したばかりだというのに、また新しいCDです。こちらの方はオルガン伴奏の第2稿ですが、なぜこんなに頻繁にリリースがあるのかと思っていたら、デュリュフレが亡くなったのが1986年のことですから、昨年は「没後20年」という記念の年だったのですね。世界中でこの曲のコンサートや、録音が数多く行われていたのでしょう。こんな風にして、同時代の音楽だと思っていたこの曲も、次第に名曲として歴史の中に位置づけられるようになるのでしょうね。
先日のオーケストラ版は日本人による演奏でしたが、こちらでもベルギー在住の日本人、国分桃代さんがオルガンを演奏されています。そのためか、ブックレットにはフランス語、ベルギー語、英語に加えて日本語のライナーノーツが掲載されています。そのせいでしょうか、バリバリの輸入盤であるにもかかわらず、「レコ芸」の月評でも国内盤として紹介されていましたね(いや、タスキに日本語が書かれてさえいれば、国内盤扱いになってこの雑誌で取り上げられるのだとか)。
ここでは、レクイエムに先だって、同じ作曲家の無伴奏のモテットと、オルガン・ソロの曲が演奏されています。最初のモテットを聴いた印象では、なかなかクセのない滑らかなハーモニーに惹かれるものがありました。強い主張を出すのではなく、そこはかとなく美しさを振りまく、そんな感じをもってっと。次のオルガンソロ「アランの名による前奏曲とフーガ」は、国分さんのご主人であるグザヴィエ・ドゥプレが演奏しています。ロンの大聖堂にある、1700年に作られたバロック・オルガンを、1899年にフランス風のカヴァイエ・コル・オルガンに改修したという歴史的な楽器は、リード管の響きが前面に出た鄙びた音色を持つものでした。しかし、おそらくアクションの関係で滑らかに演奏するにはかなりの技術が必要なのではと思われる、ちょっと気むずかしい楽器のような気がします。ドゥプレの音楽には、必ずしもそんなオルガンを御し切れていないようなもどかしさが伴っているのがちょっと残念です。
メイン・プロのレクイエムでも、国分さんはオルガンの気むずかしさにやや戸惑っているような気がしてなりません。何よりも、静かな部分でのアクションのノイズがとても目立って聞こえてしまうのは、ちょっと問題です。「Domine Jesu Christe」の神秘的な前奏が、「ガチャン、ガチャン」というとても耐えきれない騒音で邪魔されているのを聴くのは、かなり辛いものがあります。しかし、このオルガンにはスウェルが付けられているようで、時折聞こえるクレッシェンドやディミヌエンドが滑らかに聞こえてくるのは何よりの救いです。
合唱は、先ほどのモテット同様、美しさを伝えることに最大の努力を払っているように見えます。男声はちょっと危なげなところもありますが、女声の音程は完璧、包み込むような響きで、それこそ「静謐」な音楽を伝えてくれています。しかし、この曲の場合、それだけで終わってしまっていたのでは、軽い失望感を味わうことになってしまいます。肝心なところでの「主張」がない限り、決して名演にはなり得ません。
そこへ行くと、「Pie Jesu」でのメゾソプラノのソロの、ちょっと崩れたアプローチはなかなかのものがあります。ただ、ここだけに出てくるチェロパートを合唱団員に任せたのは悲惨。最初のフレーズこそまともですが、そのあとの乱れようには笑うほかありません。この辺の詰めの甘さが、いかにもユルい演奏を産むことになったのでしょう。
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by jurassic_oyaji | 2007-08-08 00:16 | 合唱 | Comments(0)