おやぢの部屋2
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MOZART/Requiem, ORFF/Carmina Burana
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Sáinz Alfaro/
Orfeón Donostiarra
Orquesta Filarmónica de Andalucía
Orquesta Filarmónica de Málaga
RTVE/65273



最初はどうなることかと思いました。何しろ、このスペイン放送局のレーベルの2枚組CD、どんなことをしてもトレイからとれいないのです。普通のCDのトレイは、ボタンのような突起の真ん中を押してやると、そこが緩んで外れるようになっているものなのですが、これはそのような構造にはなっていなくて、力ずくでCDを「引っぱがす」しかないのです。下手をしたらCDが割れてしまうのではないかと心配していたら、その前にツメが欠けてしまって、それでやっと外すこと出来ましたよ。
1997年のジルヴェスター・コンサートで、アバド指揮のベルリン・フィルとも共演したこともあるという合唱団「OD」は、1897年に創設されたという由緒のある団体です。もっとも、同じ「OD」でも、スウェーデンの方は「オルフェオのしもべ」という意味ですが、こちら、スペイン版ODは、「サン・セバスティアンのオルフェオ」という意味なんですって。そんな、スペイン北部バスク地方の都市サン・セバスティアン(バスク語では「ドノスティア」)の合唱団が、南部アンダルシア地方で行ったコンサートのライブ録音が、ここには収められています。モーツァルトの「レクイエム」は、アンダルシア・フィルとの共演によるハエンでのコンサート、オルフの「カルミナ・ブラーナ」は、マラガ・フィルとの共演によるヘレス・デ・ラ・フロンテラでのコンサートです。
1枚目は、2006年の1021日に行われたモーツァルトです。全く聴いたことのないオーケストラですが、冒頭のファゴットとバセット・ホルンのアンサンブルでは、ビブラートたっぷりのかなり「濃い」歌い口が印象的、やはりラテンっぽいモーツァルトに仕上がっているのでしょうか。ところが、合唱が入ってくると、いくらライブとはいっても、その録音バランスがとてもひどいことに気づかされてしまいます。何しろ、オーケストラの、特に弦楽器に消されてしまって、合唱が殆ど聞こえてこないのですから。ジャケットには最初に合唱団の名前が書いてあることからも分かるように、これは合唱団がメインのアルバムのはず、これはいったいどうしたことでしょう。音の響き方を聴いてみると、どうやらこの会場はかなり広いところのよう、そんな響きを捉えきれずに、オケもソリストも合唱もてんでバラバラなことをやっているという感じしか伝わってきません。先ほどのCDのツメといい、このメーカーはこんな粗悪品を、よくも「商品」として販売できたものです。
ところが、2枚目のオルフでは、全く事情が違ってきたのですから、世の中は何が起こるか分かりません。こちらは1013日のコンサートですが、普通のホールを使っているようで、バランス的にはなんの問題もありません。そして、このバランスで聴くと、合唱団はとっても幅広いダイナミック・レンジを駆使していることがよく分かります。そんな小技は、モーツァルトの時の録音ではなんの意味も持たなかったのですね。そして、何よりもすごいのが、オーケストラと合唱団が一体となって作り上げているとんでもないテンションの高さなのですよ。例えば、最初と最後の「O Fortuna」での打楽器チームの張り切りようといったらどうでしょう。盛り上がったところでバスドラムが「タタタ、タン」と入れる前打音のかっこいいこと。張り切りすぎて「タタタタ、タン」なんてなっているのもご愛敬。アンサンブルはずれまくってかなりひどいのですが、それを超えた気迫には圧倒されます。ソリストも乗りまくっています。バリトンの「Ego sum abbas」で、客席から笑いがとれるなんて。
こんなにハチャメチャで楽しめる「カルミナ」なんて、久しぶりに聴きました。ほんと、世の中なんて最後まで分かりません。
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by jurassic_oyaji | 2007-08-17 20:28 | 合唱 | Comments(0)