おやぢの部屋2
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VERDI/Messa da Requiem
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C.Gallardo-Domês(Sop), F.Brillembourg(MS)
M.Berti(Ten), I.Abdrazákov(Bas)
Joshard Daus/EuropaChorAkademie
Plácido Domingo/
Youth Orchestra of the Americas
GLOR/162202



ジャケットのドミンゴの写真がえらく荒い画質ですが、これはビデオの映像を取り込んだものです。普通にスティル写真を使えばいいものを、わざわざこんなのにしたのには訳があります。そう、これは2006年8月6日にミュンヘンのガスタイク・ホールで行われたコンサートのライブ録音なのですが、CDと同時にDVDもリリースされているのです。CDだけを買った人でも、この写真を見ればビデオ映像があるのだなと分かるという、一つの戦略なのでしょうか。
どのような経緯で実現されたコンサートなのかは、ライナーノーツを読んだだけでは分かりかねますが、とにかく、アメリカのオーケストラ、ヨーロッパの合唱団、それぞれ大学生ぐらいの若いメンバーによる団体が共演したというイベントなのだそうです。
合唱の方はオイローパ・コア・アカデミー、以前も「マタイ受難曲」などのしっかりした演奏をご紹介したことがありますが、もちろん合唱指揮はダウスです。ここでは総勢200人ほどの編成で参加しています。対するオーケストラは、アメリカ全土から集まったという、100人ほどのメンバーです。両方合わせると300人、その時の一部の写真がありますが、ガスタイク・ホールのステージの上はびっしりと埋め尽くされていた様子がうかがえます。
指揮をしているドミンゴは、もちろんあのテノール歌手です。最近ではこのようにオーケストラや合唱の指揮をすることもありますし、オペラさえも振ってしまうというマルチタレントぶりを発揮しています。その指揮ぶりは彼の歌のスタイルと見事に合致、決して情におぼれることのないクレバーな歌い方は、どんなときにも彼の演奏の原点になっているのでしょう。ここでも、そのような基本的にインテンポの音楽は爽快に進んでいきます。さらに、若々しいメンバーに煽られて、その爽快感は最後まで生き生きとしたドライブ感も産むことになりました。
その結果、通常ではまず80分以下で終わることはなく、CDでは2枚組となるのが当たり前のこの大曲が、なんと78分、CD1枚に収まってしまいましたよ。
そんな、殆ど超特急と言っていいようなテンポにもかかわらず、この演奏からは性急さというものは全く感じることはできません。それは、歌うべきところではしっかり歌っているせいなのでしょう。何しろ、冒頭のオーケストラのピアニッシモはちょっと尋常では考えられないほどの「小さな」(決して「弱い」音ではありません)ものですから、その緊張感といったらたまりません。そこに入ってくる合唱も、ダウスに鍛えられただけあって、しっかりした存在感が主張されています。この合唱は、フォルテになっても決して崩れたりしないところが魅力、若々しい声は何よりの力になっています。
オーケストラは、繊細さよりはむしろ力強さをアピールしているのでしょう。金管のパワーといったら疲れを知らない若者の特権がそのまま発散したかのような潔さです。もちろん、若者に暴走はつきもの、何度も出てくる「Dies irae」では、ぜひピッコロのつんざくような高音を聴きたいと思っても、金管の咆哮は、それをも消し去ってしまっていましたね。
ソリストたちも、めいっぱいの熱演を聴かせてくれています。中でもソプラノのガラルド・ドマスの熱い表現は、全体のテンションをも引き上げていることでしょう。
これほどまでの熱演、写真ではスタンディング・オベーションとなっているにもかかわらず、終演時の拍手がカットされてしまったのは、ちょっと残念、しかし、これを入れたら確実にCDの容量を超えてしまっていたことでしょう。それを聴きたければDVDも買えという、要領のいい商魂のあらわれ?
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by jurassic_oyaji | 2007-08-29 21:30 | 合唱 | Comments(0)